３０代、４０代お断り！(その二）

バイトが終わる頃合を見計らって高校を卒業したばかりの”AI"を食事に誘う、私、写真人。
単に、食事をするだけだから”犯罪”ではあるまい。
高校を卒業したばかりとは言え、3月31日までは身分は高校生。慎重にならねば・・・・。

「ドリアとリゾットって何が違うんですか！？」
「ドリア＝こげたイタリア雑炊、リゾット＝そのまんまイタリア雑炊・・・」
・・・あはははっ、かわいいのぉ～10代は・・・。
私、写真人・・・すっかり”お父さん”である・・・ってAIの父ちゃんとは同じ歳なんだけど・・・。

10代の乙女の食事姿をデレ～～～と眺める、すっかりオヤジの私、写真人・・・
って、コラ～～～～ッ、食事中に携帯するなっ、おいっ！！

「茶色のヴィトンとベージュのシャネル・・・どっちがいいですかねぇ～？？」
「・・・なんじゃっ、そりゃ～？？」
「友達からのメールでキーホルダー、どっちを買おうが悩んでるみたいなんですけど、
よくわかんなくて・・・・」
「そんなモン知るかっ！カンコーヒーのオマケのキーホルダーでも買っとけ！！」

最近の10代は携帯なしでは生きて行けないのである・・・。

山口百恵とピンクレディーのデビューを知っている世代なら理解してもらえると思う。
私、写真人と同じ世代の同輩なら、10代の頃、好きな娘に電話をするというのは
かなりの覚悟が必要だった・・・。

まず電話は”黒電話”が主流・・・ダイヤルタイプのやつだ。
ジコ～～～ッ、ジコ～～～ッとダイヤルを回す。押すのではない！
ダイヤルは回すものなのである。
好きな娘に電話する。コードレス電話がない時代、家族がテレビに見入っているか
風呂に入っている間に電話をする。でないと、電話をしているのが見つかってしまう。
我が家の電話は間が悪いことに一家団欒の場、居間に置いてあった。

ダイヤルをする。

「ジコ～～～ッ、ジコ～～～ッ」・・・この間合いがたまらない・・・ドキドキ感で一杯の瞬間。
プルルルルル・・・呼び出しの音・・・・心臓爆発！
「一発ででてくれぇ～～～～頼む～～～」と心の中で叫ぶ！
「出た～～～～っ・・・・・・・・・オヤジさんだっ！！」
「ハイッ、○×ですが・・・。」
「あっ、あっ、あのぉ～～○×子さんいらっしゃいますか！？」
「・・・・・そんな娘はおらんっ！！」（＝ガチャンッ）

5秒で終わり・・・。

確実に電話で話をするために事前に念密な計画が必要。
「何時何分に電話する・・・」と示し合わさねばならない。
そうして、受話器を緊張と興奮のため手の汗で濡らしながら会話を楽しみのである。

・・・が、

月末には親に指摘される。
「アンタッ、いったいどこに電話してんのっ！今月の電話代、3000円もしたのよ！」
3000円の電話代でこっぴどく怒られる時代だった・・・・。

・・・などと思い出にふけっているのに、携帯を話さないAI・・・。

オマエッ、携帯中毒かっ！！！

食事中に携帯すんなよっ！
自分の娘ならぶん殴っているところである・・・・が、娘ではないAI・・・・。
仕方ないのでライカでコトリッ・・・写真を撮る、10代に甘い私、写真人。

10代の娘のデートってこんなモンなのだろうか！？
・・・”デート”と言ってはイカンッ！・・・あくまでも”外食の社会見学”である。