今日はお昼から若葉会。日本橋亭。
これは日本講談協会の二つ目•前座が出演する。毎月の会だ。
歴史は古い。昔は若手と二代目山陽が後見役という形で出演していた。若葉会独自のネタ帳もあり、現在、第264回。
前座時代の私にとって、この会は特別であった。
何しろ前座は制約の連続である。
ところがこの会だけは時間を無制限にやっても、どんな演目をかけても良かった。普段出来ない大ネタも、まくらも自由という。
いわば、私が一番解放される会であった。
「宮本武蔵」「慶安太平記」「村井長庵」などを連続でかけていたのもこの会だけである。
私が入門した頃は、阿久鯉姉さんが二つ目でまだこの会にいた。これは凄くありがたいことで、当時の空気感を味わえたのは、今考えると幸せであった。
この若葉会は元々ネタ下ろしの会。それを忠実に守り、連続物をかけ続けたのが姉さんだった。
過去のネタ帳を見ると「柳沢昇進録」「「天保六花撰」「天明白浪伝」「旗本五人男」「徳川天一坊」「畔倉重四郎」「慶安太平記」など、すべてこの会でネタ下ろしで連続でかけている。
だから楽屋の緊張感も今とは違い、良い意味でピリピリしていた。ここらへんの空気感はYouTubeにアップされていたと思う。(阿久鯉姉さんの特集で)
私が前座の途中から姉さんが真打ちになり、若葉会もぬけた。何という損失。空気感も消えてなくなった。
現在私は「グズグズ寺」という会でネタ下ろしをやっているので、この若葉会でおさらいする感じになっている。
だから多少の申し訳なさを感じながら、今日に至る。今でも大事な会である事に変わりはないが。
そんな中、今日はきらり姉さんの「水戸黄門」全24話の内、1話目を聞く事が出来て良かった。人の高座に影響されるのもこの会の良さだ。
これだけの場を与えられて、ルーティーンでこなしているのは非常にもったいない。
逆にいえば、これだけの条件が整っていれば、一切の言い訳が出来ないと言えなくもない。
自戒を込めて頑張ろうと思う。
そんな中、私は「ボロ忠売り出し」
うーん。もっともっと頑張れた気はする。しっかりせいよと思う。
そういえば来月は私がトリであった。
昔の若葉会のような緊張感でつとめたい。