プロブロガーになりたいと(ちょっと)思ってみたけどやめた話。 | かんちくログ

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1発屋どころか、まだ1発も打ち上がってませんが。勝負は、これから。

まだ東京で消耗してるの?」というタイトルのブログがありまして、ネットでうろうろしている人なら一度くらい目にしたことがあるんじゃないでしょうか。


人口密度の高すぎる東京に住み、好きでもない満員電車に乗り、好きでもない仕事をして、消耗している人が見たら脊髄反射的に「カッチーン!」と怒りスイッチが入りそうな、そして東京はクレイジーだと思いつつもどこか憧れを捨てきれない田舎者(わたし)が見たら、よくぞ言ったと身を乗り出してしまいそうな、絶妙なタイトルである。
ブログ主のイケダハヤトさんことイケハヤさんはブログで月500万円稼いでいて、高知の限界集落に引っ越して田舎ライフを送っている。ブログで月500万円だと…!と、せっせと小説を書いているわたしもカッチーンとなってしまって、我に返って、なんだ、この人、全世界を敵に回したいんじゃないかと思ってしまった。が、この本を読んだら、何だか印象が変わった。

 

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タイで出家したプラユキさんとイケハヤさんと同じ村に移住したイラストレーターのヒビノさんとの3人の対談。生き方を選んだんだな、と。ブログのタイトルは他の人の生き方を揶揄っているけれど、中身は揶揄ることや批判が目的じゃなくて、生き方はそれだけじゃないかもねって別の道を示している。押しつけがましくない。

あと、これ。面白かった。

 

 

イケハヤさんと小説家のチャット対談。冒頭で専業作家の架神恭介さんが小説で食えるようになったけど、忙しすぎる、こんなはずじゃなかったって言ってるのが面白かった。

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忙しいんだよ!おれ、なんかおかしいんだよ!!!
月刊連載と週刊連載おわったからくそヒマになって、毎日四時間だけ仕事して後は遊んでくらすはずだったのに何故かいま一日のゲーム時間が十五分とかだったりするんだよ!!!おかしいよ!!!どうしてこうなった!!!
将来的には子供もきっと生まれるだろうから、ここに保活とか育児とか入ってきたら、おれはきっと世を儚んで死んでしまう。死ぬ前に理想的なワークライフバランスを確立したいので、イケハヤさんに結構まじめに相談したい!
(『炎上は面白い!:イケダハヤトのブログ術』架神さんの発言より)

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面白いというか、なんかもう切実というか。すごくわかるというか。1日4時間働いてあとはのんびり過ごすという理想の生活をイケハヤさんは実現しているわけで、そんな生活できるものならしてみたい!

「書く」力はもうあるのだから、小説家の人たちもきっとできますよ、とイケハヤさんはいう。じゃあ、どうすればいいのかと前のめりに食らいつく小説家たちに、具体的にやり方を教えてくれる。それを読んで、わたしは、愕然とした。それって、ベストセラー作家になって印税たくさんもらうのと同じ大変さじゃないか・・・。今のような月500万稼げる状態になるまでは最初の頃は1日中ブログを書き続けて試行錯誤したり、リサーチしたり、質の良いコンテンツをつくるために研究したり、とかなりの労力を割いているし、努力してるし、もともと書く才能もセンスもあるんだろう。人と違う考え方もしている。ブログで稼いでいると聞くと何だかうさんくさいような楽をしているような自分にもできそうな気がしてしまうけれど、とんでもなかった。ブログでも本でも同じだった。

本と違うのは、作品だけじゃなく、本人が前面に出て「生き方」を提示していること。タレントに近い。だから個人攻撃や炎上や嫌われたりねたまれたりするが、それを逆に利用している。
うーむ。そうか・・・。そうなると本業に差し障りそうだし、そんな強い心臓はもっていないなあ・・・。たぶん前のめりに聞いてた作家たちも、それは自分のやりたいことではないな・・・と気づいたのじゃないだろうか。対談もそんな感じの終わり方でした。

しかし、アフィリエイトでお金を稼ぐって面白いなあと思う。商品を宣伝したいという需要は山ほどある。だから広告という仕事が成り立つ。でも、商品そのものを宣伝するんじゃなくて、別のコンテンツで人を集めて目に留まらせることで宣伝効果を出す。よいコンテンツであれば全員がハッピーな気がする。テレビ番組と同じか。

でも10万とか20万とか人が集まったとき、純粋にそのコンテンツが良いと思って集まる人だけじゃなくて、コンテンツをよいと思って騒いでいる人たちへの批判とか炎上とか憎しみとかねたみとか負の感情を持って集まってくる人たちが出てくる。米まいたら雀が群がってきて、雀が増えると雀の捕食者がやってきたみたいな? その捕食者にとってはもとの米はどうでもいいわけで。正しく受け取らずに批判されることもあるわけで。
作者としては精神衛生上よくない…。避けられるものなら避けたい状況である。でもその批判の数十倍も共感してくれる人がいるわけで。

わたしのやりたいことはなんだ・・・といろいろ考えてて最後に行きついたのは、「小説を読む人が増えたらいいなあ」ということだった。小説ファンを増やしたい。イケハヤさんも炎上させつつも、底には「自分らしい生き方を選んで幸せを感じられる人を増やしたい」って思ってるのではないか。敢えて憎まれ役をかってでも。


ワークバランスについて考えている最近ですが、なんか、こんなことをうだうだ考えているうちに最終的にもっと仕事しようという結論にたどりつきました。わたしのやりたいことは小説の良さをひろめたいということで、それにはまだ小説家としての実力が足りない。もっと書かなくちゃいけない。それだけじゃなく、ほかの仕事もせっせと楽しくやっていれば小説に興味を持ってくれる人の輪が増えていくし、その経験がまた小説に生きていく気がする。

 

久々に長い日記書いた・・・。これが更新が義務になるとしんどいんだよね。プロブロガーってブログが仕事だもんね。

ブログは遊びで。これからもゆるゆるとやっていきます。

 

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