2005年3月詩集天国の地図を文芸社から出版し全国デビューを果たしたが、そのきっかけはなんとうつ病だった。2003年9月初めて私は精神科の門を叩いた。うつ特有の症状は以前からあったが、それがうつ病だとは思っていなかった。自分が怠けているからこんなやるせない気持ちになってしまうのだろうと眠れない夜を過ごしていた。睡眠不足は心臓病を患っている私には特にきつかった。不整脈の嵐に息も絶え絶え。有休も使い果たしてしまいやけっぱちになっていたが、最初の心療内科に診てもらいとりあえず薬を数種類渡された。一ヶ月の休養も言い渡され家に閉じこもった。そして本格的なうつとの闘いが始まった・・・。
私が初めて東京に行ったのは小学4年生の時だった。その頃はまだ新幹線も開通していなかったので伯父に連れられて東海道線の長い汽車の旅を経験した。行き先は東京の郊外にある府中刑務所。父が服役している場所であった。日時や曜日までは思い出せないが前日に藤枝を出発し、東京に着いてから地下鉄幾つも乗り継いだ記憶がある。こんな暗い所を電車が走っているなんてと驚いていた。東京には三郎とう祖父の兄弟が住んでいるらしく叔父さんはその人の家を探し回っていたようだったが結局見つからずもう夜も10時を過ぎていたのでそこら辺で見つけたホテルに泊まった(今思うとラブホテルだったのかも知れない)。ふんわりしたベッドの感触やバスルームに綺麗な花びらが浮いていたのを思い出す。家で寝る石のように固い薄っぺらな布団とは大違いだった。都心から都下にある府中刑務所まではたぶん京王線で行ったのではないだろうか。その頃京王線が存在していればの話ではあるが。府中と言えば競馬で有名なところである。府中に刑務所がある事を知っている人はどれだけいるだろう。父の出所を迎えに行くのはこれが二回目なのである。実は4歳の頃祖母と一緒に静岡刑務所へ迎えに行った事があるが4歳と幼い記憶なのでおぼろげながらに憶えているだけであるが、二度目の出迎えは鮮明に脳裡に焼き付いている。子どもの目からみればそれは城門の聳え立つ高い塀に見えた。刑務所の入り口までは広い公園になっていて私はそこで一人待たされた。子どもは刑務所の中には入れないのである。一体何時間待っただろう。天気がよかったので公園に生い茂る樹木の下で飛び回る虫たちの姿を見つめながら時間が過ぎるのを待った。公園内を掃除している清掃員のおじさんが声を掛けて来たが内容は忘れてしまった。こんな所に小さな子どもがいる事自体が不思議でありよほどの事情があったのだろうと思ったかもしれない。随分長い時間を待たされてようやく大きな刑務所の門が開いた。私はそれをかなり離れた距離から見詰めていた。最初に叔父さんの姿が現われ、その後に父の姿が見えた。父は少し笑っていた。本当ならここでドラマのように父に向かって走り出し抱きつくシーンを思い起こすだろうがそんなテレビドラマのよな劇的な風景とは裏腹に父との会話は全くなかった。出所する時刑務所からわずかだが現金が支払われる。服役中は誰でも労働するわけだからそれに対する報酬がでるのであるが、それは本当にわずかな金額で刑務所から故郷に帰る交通費と飲食代程度のものだった。幼い私としては折角東京まで来たのだからせめて東京タワーに登ってみたかった。帰りは午後から雨になり静岡行きの汽車も満員で座る事が出来ず乗車口の所で立っていた。通り過ぎる雨に煙る薄暗い空に東京タワーが天を突き刺して立っていた。同じ乗車口に居た綺麗なお姉さんが私にパンをくれた。お腹の空いていた私にとっては有り難い思いがけないご馳走だった。パンに喰らいつく私を見て父が優しくお礼を言えよと言った。
私は今冷凍バナナにはまっており、毎朝食べている。事の始まりは脳の働きを活発にしてくれる成分が含まれいる事が分かった事。うつ病にも効果がありそうだ。朝1本食べて昼頃30分ほどのんびり散歩をすると良い。バナナを大量に購入したは良いが時間が経つと茶色く変色して腐ってしまう。何とかならないかと思い冷凍室にそのまま放り込んだ。次の日見事に茶色くなったバナナ見て、中身が気になった。そこでレンジでチン。柔らかくなっても冷たい。そして皮を剥く。食べる、おお!なんと美味しい。とろける甘みが口の中に広がった。かくして私は見事にはまったのである。ダイエットにも効果あり。便秘解消、肌荒れ予防、老化予防、ガン予防・・・切がない。
先日カーラジオを聞いているとイギリスのテロ事件が話題になっていた。外国のジャーナリストがWeb上でニュースを流した所沢山のメールが届いたという。「私達は恐がらない」と言う内容だ。それについてのアナウンサーのコメントが「恐れない事が大事ですよね」だった。私は、ため息をついてしまった。テロリストの心理が解らない軽率な発言だと思った。おそらく世界中の人達は共感するんだろうな。自分がテロリストになったらどう思うか。答は至って簡単、もっと恐がらせてやるだ。テロの歴史は実に古い、古代ローマの時代まで遡るがその原型はもっと昔からあったと私は思う。人間(男)には闘争本能がある。これは人類が地球上に誕生してから自然を生き抜くために備わっているもの。全ての生物にもあるだろう。防御もその一つだ。人類の歴史は戦いの繰り返し。やられたらやりかえすこの悪循環は果てしなく続く。世界中のテロ組織が全て同じ考えの下に行動しているとは思わないが、厄介な問題として「宗教・差別」は避けて通れない。聖戦と称してテロ或いは戦争を起こす国、組織がある。元イラクの大統領サダム・フセインは聖戦を利用した。自爆テロをする組織の人間(個人)は本当に聖戦なんだろう。だから命を神の手に委ねる。日本も同じような事がたった60年前に行われていた。神風特攻隊、人間魚雷、バンザイクリフ。皆天皇の為に死んでいった。天皇制だった日本は天皇が神であり、絶対的な存在だった。テロをあおる様な行動、言動はつつしむべきだ。サリン事件は麻原の世間への恨みが生み出したもの。情報の氾濫時代にこれをうまく利用しているのもテロ組織。世間が騒げば騒ぐほどテロリストの思うつぼになる。関心を示さないわけには行かないだろうが・・・。



