青い季節。 | プールサイドの人魚姫

プールサイドの人魚姫

うつ病回復のきっかけとなった詩集出版、うつ病、不登校、いじめ、引きこもり、虐待などを経験した著者が
迷える人達に心のメッセージを贈る、言葉のかけらを拾い集めてください。

 

 

 隅田川公園で紫陽花を撮影した日、公園から両国橋方面へ30分ほど歩くと隅田川テラス沿いに小さな花壇がある。その場所にも紫陽花が咲いている事を以前から知っており、一眼レフを始める前、スマフォで初めて紫陽花を撮影した記念すべき思い出深い場所。
 今回もおそらく咲いているだろうとその場所に思いを馳せ、少し祈るような気持ちで両国橋を目指した。この辺りには以前紹介した流線型の美しい両国ジャンクションがあり、絶好の夜景撮影スポットでもある。花を撮るならやはりマクロレンズが好ましいと思うが、私自身は余りマクロ撮影は得意ではない。MC105mmは中望遠なので、被写体にぐっと寄らずに、少し距離を置いて撮るようにしている。
 この日はもう1本単焦点40mmを用意しておいたので、使い分けながら撮影に臨んだ。想像通り、花壇の壁側に沿って青いガクアジサイが密生していた。花壇の中に足を踏み入れても大丈夫なように石を並べた細い道が出来ており、他の花を踏み付けないよう最新の注意を払い、シャッターを切った。
 川沿いの街灯が点灯し始め、黄昏の時を迎えていた。それらのライトが昼とも夜とも言えぬ、妖しい時間をプレゼントしてくれたように思う。それらがアジサイの一つひとつをより一層際立ててくれ、美しい背景ボケとなりファインダーを覗き込んでは、自己満足の世界にどっぷりと浸っていた。
 今年は紫陽花だけで、3回場所を変えて撮影に行った。先ず最初は江戸川河川敷の小岩菖蒲園、ところが全くの空振りに終わりあじさいの「あ」くらいしか撮れず、肩を落として帰宅。やはり慣れている場所の方が撮れる確率は高いだろうと次は隅田川公園へ。そしてそれでも物足りず、次は白山神社へ。然しこちらも期待外れで終わった。白山神社そのものは800年以上の歴史があり、あじさい祭りも有名で時季には多くの観光客で賑わっているし、文句の付けようがないのだが、やはり時季が遅すぎた感があり、隅田川の時の様なワクワクする感覚を持てず、亀戸天神の藤の花と同じ思いになってしまい残念だった。
 今年に入り、心臓の調子も良くなるに連れて撮影に出掛ける機会も格段に増えた。が、然し残念な結果で終わる事も増えた。こればかり仕方ない事と割り切って、納得の写真が撮れるまで何度でも同じ場所に出掛けている。