隅田川メモリー。 | プールサイドの人魚姫

プールサイドの人魚姫

うつ病回復のきっかけとなった詩集出版、うつ病、不登校、いじめ、引きこもり、虐待などを経験した著者が
迷える人達に心のメッセージを贈る、言葉のかけらを拾い集めてください。

 

 

 

Nikon Z7Ⅱ,Mモード,WB晴天,ISO200,SS/10秒,f/16 LAOWA FFⅡ 14mm f4.0 

 

 

行方知れずの恋心
川面に揺れて流されて
破り捨てても戻される
あなた恋しや隅田川
橋のたもとに立ち尽くす

一夜限りの恋ならば
他人の体に身を任す
波の灯りに照らされて
浮世の風に流される
馬鹿な女の独り言

揺れる心にあなたの影が
今夜も映る刹那の川に

想いの欠片を流します

 

 

 隅田川のクルーズ船を撮影した後、中央大橋を新川方面に渡り、隅田川テラスを散策しながらスカイツリーのある方向に暫く歩くと永代橋に着く。隅田川に架かる橋の中で青くライトアップされる橋は築地大橋など幾つかあるが、やはり私は何と言っても永代橋の青が好きである。青と言うより瑠璃色と表現すべきかも知れない。
 永代橋の歴史を紐解いて見ると、元禄9年頃でなんと江戸時代にまで遡る。広重などの浮世絵で当時の永代橋を見る事が出来るが、名前が付く以前から橋はあったらしく、「深川の大渡し」と呼ばれていたようだ。「忠臣蔵」の赤穂浪士が吉良邸から泉岳寺へ引き上げる際に渡った橋としても有名。
 撮影したこの日は確か「ピンクムーン」だったと記憶しているので4月中旬辺りだろう。陽が沈み辺りが夜の帳に包まれると、その風景は一変する。超広角レンズと三脚を使用するようになってから、夜景撮影がより一層愉しくなった。
 瑠璃色に輝く永代橋の灯りが川面に反射して、果てしなく拡がる蒼茫とした海が紺碧の空にまで続いて行く…。300年前、江戸の人々が様々な想いを馳せてこの橋を渡る姿が垣間見えて来るようで、私は暫く橋の袂に立ち竦み物思いに耽っていた。