ひとめぼれ30キロの思い遣り。 | プールサイドの人魚姫

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うつ病回復のきっかけとなった詩集出版、うつ病、不登校、いじめ、引きこもり、虐待などを経験した著者が
迷える人達に心のメッセージを贈る、言葉のかけらを拾い集めてください。


ひとめぼれ

 静岡市在住の息子、勇樹から届いた年賀状に米を送ると書いてあったので、おそらく誕生日プレゼントの事だろうと思っていた。米がプレゼントと言うのも何だか色気のない話しであるが、人間、食わなければ生きて行けないと言う意味では最上の贈り物かも知れない。

 7日の誕生日に届くものだとばかり思っていると、5日の夜に宅配業者から電話が掛かって来た。「もしもし、かんべさんですか?これからお荷物お届けに伺いたいのですがよろしいでしょうか?」。数分後、ドアのチャイムが鳴った。

 ドアを開けるとヤマト運輸の若いお兄さんが「ハァハァ」と息を切らしながら大きな袋のような物を抱えて立っていた。

 「はい、お届け物です、ここに置いちゃっていいですか?」

 「あ、はい、どうもご苦労様…」

 年賀状には何キロ送るとまでは書いてなかったので、せいぜい5キロか10キロだと思っていた。それ以上の米は貰った事がなく、昨年の夏頃だったか養護学校時代の仲良しだった女性から5キロ届いた事があった。

 大きな袋に一体どれだけの米が入っているのか見当も付かず、兎に角重たいので玄関に置いたまま動かす事もままならなかった。早速、息子にメールを入れるとすぐさま電話が掛かって来た。

 「おーい、米ありがとう、一体これ何キロなんだ?」

 「父さん、それ30キロだよ!」

 「えーっ、30キロ!!、宅配の兄さんがゼェゼェ息きらしてたぞー」

 米の話しで盛り上がり、二人で大笑いした。息子の大きな笑い声を聞くのも久しぶりである。昨年は脳梗塞や心不全で心配ばかり掛けてしまい、息子の顔から笑顔がすっかり消えてしまっていた。

 「5キロ10キロは当たり前だから、30キロにしてみた」

 青森県十和田市から送られて来た「ひとめぼれ」30キロ…、予想を見事に打ち砕くその30キロ、これが本当の「重い遣り」ではないだろうか(*゚▽゚*)

 皆さま、本年もどうぞ宜しくお願い致します。