冬枯れて…(1984年、大井町にて)。 | プールサイドの人魚姫

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うつ病回復のきっかけとなった詩集出版、うつ病、不登校、いじめ、引きこもり、虐待などを経験した著者が
迷える人達に心のメッセージを贈る、言葉のかけらを拾い集めてください。

 

プールサイドの人魚姫-冬枯れ

 

 
 

西に沈む夕陽が、わたしの影を四角に作る。

外が冬だったことに、気づいてわたしは驚いていた。

わたしの部屋には、季節が訪れない。

残り少ないカレンダーだけが、冬をわざとこじつける。

くちびるを突き出して息を吐く。

それは白く色付いて、寒さに震えて凍えそう。

長い間、忘れ去られたクリスマス・ツリーが、一斉に輝き出す。

深い夜の淵に腰掛けて、嘘を数えてみたりする。

するべきことなど、何一つありもしないのに。

暗いばかりの冬空は、わたしを不安に駆り立てる。

歩いても、走っても、何処へも辿り着けない。

居心地の悪い解放感だけが、わたしを包み、

心は、不自由な暮らしへと帰りたがるばかりで。