日本の新幹線をそっくりそのまま外観だけをコピーしたような高速鉄道の追突事故は、加速する経済にブレーキを掛けられない中国事情をまざまざと見せつけてくれた。
事故発生当初は落雷による天災を強調していた鉄道局の言い分は、その後大きく修正される事となり、信号設備の欠陥とその問題点を発見出来なかった事が重大事故を引き起こす要因となった事から、天災ではなく人災である事が事実上明らかになった。
この事故での死亡者は現時点で40人とされているが、この数字についても事故原因と同様に民衆から疑問の声が上がっており、今後の調査によっては新たな展開を生む可能性は高い。
中国の隠蔽体質は今更と言った感ではあるが、それを余りにも露骨なやり方で晒してしまう所が如何にも中国らしいと言えば納得も出来る。
生存者の確認もそこそこに切り上げて、その場に穴を掘り車両を埋めてしまうなどという蛮行を一体誰が指示したのだろうか。事故から一日半足らずで鉄道の運転再開など、しかもその列車は満員だったというが、それも『サクラ』だという憶測も飛び交っており、日本では考えられない事故対応に疑問を通り越して怒りさえ覚えてしまうのである。
この高速鉄道にはドイツと日本の川崎重工が技術供与しているようであるが、どんなに優れた技術でもそれを動かす人間が不完全では、折角の高い技術力は活かされない。
ドイツに於いては運転手の訓練に最低3カ月を要しているが、中国ではなんと10日間でマスターさせているという。とてもじゃないが、そんな素人と変わらない人間が運転する列車には到底乗る気はしない。
中国の国家プロジェクトである鉄道網を一手に担う鉄道省の在り方に、民衆からの不満が一気に噴出している状況を踏まえ、事故発生から数日経った28日、温家宝首相が事故現場を訪れたが、その場に立ち尽くす姿から苦渋の表情が伺えた。小刻みに震える唇を重く開き、事故に対する徹底解明と責任者への厳重な処罰を遺族や犠牲者に約束していたが、この鉄道事故が中国に齎した影響は計り知れない。
然し、犠牲者の死を無駄にしないためにも、これを契機に民衆を力で抑え込んで来た中国の暴走にブレーキが掛り、人民による人民の為の開かれた国へと生まれ代わる機会になってくれると良いのだが…。
