福島原発事故による影響がボディブローのようにじわじわと各地に拡散している。事故により放出された放射能推定量が国際評価尺度の大事故にあたる「レベル6」相当であることがわかり、米スリーマイル島原発事故を上回る規模になったが、事故の終息が依然不透明であり今後の展開によっては、それ以上のチェルノブイリに迫る規模になることも予想される。
一部地域では既にチェルノブイリ原発事故に匹敵するほどの土壌汚染も見つかっていることから、汚染された周辺の長期使用が不可能になるという懸念もあり、予断を許さない状況が依然続いている。
そのような状況の中で飛び込んで来たショッキングなニュースが、東電作業員の被ばくである。原発3号機内で復旧作業をしていた作業員3人が受けた放射線量は180ミリシーベルトにも及ぶと言う、これまで以上の非常事態が現場で起こっている事を物語っている。
病院に緊急搬送された2人を診察した医師によると、皮膚に「ベータ線熱傷」の疑いがあり、更に詳しい検査が必要とされている。事故現場には500人に及ぶ作業員達が懸命の復旧作業に当たっているが、彼らの安全管理が徹底されているのかと言った疑問や、危機意識の認識不足がこの事故で新たに露呈した形となった。
作業員が被爆した現場は核燃料棒プールの水や放水、津波による海水等により水浸しの状態で、約15センチの深さがあったとされ、水面の放射線量は毎時400ミリシーベルトに達していたものと思われる。
このような極限に近い過酷な状況下に置いては、不測の事態が発生する事は十分予測されることであり、事前にその安全性を確保した上での作業に臨むことが最優先されなければならない。
放射線が与える影響は風評被害も相まって、生命の源である「水」にまで及んでおり、東京23区と一部の市の生活水を一手に賄っている、葛飾区の金町浄水場を始めとし、福島県、茨城県、千葉県、栃木県など拡大の一途を辿っている。
最も高い放射性ヨウ素が検出された福島県飯舘村の水道水からは、1キロあたり965ベクレルが確認されている。
乳児向けの飲用基準値(100ベクレル)を上回る放射性ヨウ素131が各地で検出されているため、乳児の水道水摂取を控えるよう各自治体で呼び掛けているものの、ペットボトルなどミネラルウォーターといった安全な水が確保出来ない場合は飲用してもよいと言う曖昧な表現が人々を更に混乱させ、不安の連鎖を拡大させている。
家族団らんの場でもあるファミリーレストランではサラダなど、野菜をメインにしたメニューが姿を消し始め、多くの農作物が出荷停止、スーパーの棚から様々な野菜類が売れ残るか、全く入荷しないといった食材パニックも起き始めており、今まで散々毛嫌いしていた中国産に援助を求める傾向が高まり始めている。
この放射線による大混乱に打つ手なしとも見て取れる政府の中途半端な対応が今後も続くとすれば、日本の復興は更に遠のくものと思われる。
