中国製の農薬入り餃子で検出されたメタミドホス。この餃子事件も結局のところ未解決のまま終息した感がある。
今では子どもでも知っている言葉「メタミドホス」だけが一人歩きしてしまった。
食の安全が脅かされ始めてから久しいが、今年も相変わらず次々と世間を騒がせる。
しかしそのどれ一つとっても解決した事例はない。
最近騒がれている冷凍インゲン。これも中国からの輸入品であるが、殺虫成分のジクロルボスが混入。
密封された袋に目に見えないほどの小さな穴が開いていたという。
輸入先ニチレイフーズでは配送中の事故によるものではないと考えているようだ。
どの段階で穴が空けられたか、人為的なものなのか、捜査は餃子のときと同じように困難を強いられるだろう。
しかしながら、これまでに同じような事件・事故が多発しているにも関らず、教訓というものが全く活かされていない。
今回のインゲンについてわたしなりに推理すれば、おそらく人為的なものだろう。
誰かに恨みを持つ者の犯行ではなく、よくある愉快犯。
1ミリほどの穴が開いていたとなると、犯人は注射器を使った可能性が高い。
使い捨て注射器などは誰でも手に入るし、不法投棄された場所に行けばいくらでも針付の注射器が転がっている。
ターゲットが無差別という場合は「テロ」と同じ。
しかし最も恐ろしいのはこのような事件・事故に麻痺してしまうわたしたちがいることである。
生きているからこそ恐怖を感じるのであって、恐れを忘れてしまった人間は死んだも同然であるといえるのではないだろうか。