大麻騒動で角界が小刻みに揺れている。
人気外国人力士「露鵬・白露山」の兄弟が、大麻(マリファナ)を吸ったことについて、白黒が着かず疑惑の尿検査もあまり当てにならないようである。
本人たちはもちろん否定している。
一番慌てているのは、おそらく親方たちだろう。
北の海理事長にしては辞任問題にまで発展しており、疑惑が事実ならば「辞任」ということになるだろう。
先日辞任した福田さんのように自ら突然辞任することはないようだ。
土俵の外で不祥事が相次ぐ相撲界だが、日本人力士の不足も背景にあり、外国人力士に頼らざるを得ない部分も大きい。
外国人力士たちは仲間意識が強いため、仮に大麻疑惑が事実だったとしても、仲間を売るような行為はしないだろう。
最悪の場合、芋づる式に次々と他の力士たちの名前が上がったとしたら、相撲界は終焉を迎える。
国技ではなく、名称を変え「国際相撲」として再出発した方がよさそうだ。
不祥事の陰に「親方の教育」がある。
人気力士を弟子に抱えた場合、力士はいわば金の成る木。
部屋が潤うために、少々のことは目をつぶる。
これが現在の相撲部屋の実態。人気と利益を優先するのは相撲界に限ったことではないが、これに共通しているのが、日本の政治だから救いようがないのである。
大麻は意外と歴史が古い。紀元前のエジプトなどでは薬として重宝していた。
大麻に対する扱いは国や宗教によって大きく変わってくる。インドやイスラム圏の国では合法であるし、煙草より害が少ないと言われているが、科学的根拠が少ないため真実は分からない。
大麻が高値で取引されている国のトップは日本である。つまり、わたしたちは表面上で取り沙汰されている部分しか見ていない。
何処の国にもある犯罪組織や闇ルート。一見穏やかに見える風景の中にも犯罪の芽は確実に伸びていることを知っておくべきだ。
しかし、太平洋戦争が終結した直後の日本では、そこら中に「ポン中」(ヒロポン中毒)の人たちで溢れていた。
つまり軍部が兵士の士気を高めるため、覚醒剤を使用していたものが、街中に出回ってしまったのだ。
それに比べれば今回の騒動はまだ救いようがあるのかも知れない。