ペットを飼う時は、一応その動物の特性などを調べる為に、飼い方の本を購入して知識を得る。捨て猫や捨て犬を拾った場合でも、やはり知恵を得る為育て方の勉強をする。
先日、ペットショップで子豚の「モモコ」が0円で売られていた為、男性が引き取った。
買い手の付かない動物を哀れと思ったかは知らないが、自宅に連れて帰る途中、公園に立ち寄ったところ「モモコ」が物凄い勢いで草を食べ始めた。
その姿に圧倒され、男性は餌代に不安を抱き、その場に捨てて帰ってしまったという。
男性は大阪府警に動物愛護法違反容疑で書類送検されたが…。
わたしは15歳の時、養護学校を卒業した後直ぐに就職はせず、清水にある施設に一年半入所した。
その施設は病気を抱えた老人たちばかりが社会復帰を願いつつ、手に職を付けながら病気の治療もするという、市の福祉施設だった。
中にはどう見ても復帰は無理と思われる老人も何人かいたし、まるで姥捨て山に思えたものである。
実習の中で約3ヶ月ほど豚の世話をした事がある。
最初は嫌で仕方がなかった。正直言って豚は臭いし汚いと言う先入観があったからだ。
長靴とゴム手袋に身を固め、鼻先を摘みながらの世話が始まった。
もちろん、初めての体験なので先輩の老人からノウハウを聞いていたが、当時のわたしは反抗期であった為、人の言う事に逆らってばかりいた。
親がいないため、反抗の相手は常に先生や施設の職員だった。
豚の世話をする時一番気をつけることは「餌」だった。豚の食欲は非常に旺盛だが、その丸々太った身体は人間よりもデリケート。
人間の食べ残した残飯を大きな鍋に移し、じっくりと火で煮込む。
これが非常に力仕事で時間がかかり大変だった。大きなしゃもじで丸い風呂釜ほどの鍋の中に、たっぷりと入った残飯をどろどろになるまで掻き回して行く。
そして出来上がった餌は人間が食べたものだから栄養は満点である。
少し冷ましてから与えるのだが、待ち焦がれていたように奇声?を発して勢いよく食べ始める2匹の豚。
ホースで水を掛け、身体をたわしで擦りマッサージしてやるととても喜ぶ。
豚が綺麗好きだと知ったのはこの時だった。
毎日このように豚と触れ合っていると、不思議なことに友情のようなものが芽生える。
世話をしてくれる者への気持ちが伝わってくるし、こちらも愛情が湧いてくる。
そして実習が終わり少し経った頃、朝、豚子屋を見ると口から血を吐いて倒れている豚の姿があった。
死因は食中毒だった。
家畜として育てられる豚、牛、鶏など彼らは人間の為に生きている。
自分の一生を自分で決められない動物たちである。
役に立たない人間よりも彼らの方がよっぽど優れていると思う。