長い人生を生きていく上で、出来るだけ避けて通りたいもののひとつに医療ミスがある。地震や大雨などの災害は、自然が相手だからある程度諦めも付く。しかしこれが人為的ミスとなればとても諦める気持ちにはなれない。交通事故など自分が起こしたものは仕方ないが、相手が飲酒運転だったりすると諦めを通り越して憎悪さへ抱いてしまうこともある。医療ミスも然り。先日、山梨県の県立あけぼの医療福祉センターで起こったニュースをご存知だろうか。
虫歯の治療に全身麻酔を使うというケース。このような麻酔の使用法は初めて耳にする。40年以上に亘り心臓病と付き合い、過去に2回の手術を受け、その間に医療の現場を見てきたわたしにしてみれば、この麻酔処置は正しかったのだろうか?と疑問に思う。
亡くなった女児は9歳で、重度の知的障害があるため治療中に動いて怪我をする恐れがある為、全身麻酔を施したと言う。手術で全身麻酔を使う場合、患者の体重と密接な関係があり、体重や心身の状態などから麻酔の量が決定する。
これは麻酔科の医師が判断し適切な量を計算する。深くても、浅くても駄目。手術より一層の綿密な技量を必要とされ、手術成功の鍵を握る最も重要なポイントでもある。医療は数十年前に比べれば格段に進歩した。優秀な医者も多く輩出され、日本人の寿命が伸びた背景には医学の進歩や新薬の開発などが上げられる。
しかし、医療ミスが多発する現状を考えると(ミスは昔からあった)、医療に医者の技術が追いついていないという問題点もあるのではないだろうか。今回の事故が医療ミスかどうかはまだ分からないが、わたしはどうしても医療ミスではなかったかという思いを払拭出来ないでいる。
患者が置き去りにされる医療体制にも問題は多くあるが、医者である前に人格者として誇りを持ち、弛まぬ努力を続けて頂きたいと思う。わたし自身近い内に三回目の心臓手術を控えている事もあり医療に携わる全ての人に思いを伝えたいと思う。