私の記事最恐心霊写真はかなり怖いが内容が良かったので安心したが、この話は背筋が凍った。今から28年前の話である。私が20歳の時付き合っていた17歳の少女が借りている平屋建ての木造アパートは、5m程の幅がある砂利道を挟んで両側に5棟並んでおり全部で10棟で出来ていた。ちょっとした長屋のような感じである。砂利はそれ程細かい物ではなく割りと大粒だった。砂利道を歩くとあの「ジャリッジャリ」という独特の音がする。誰かが来れば直ぐに分かるので用心に丁度良かった。彼女は右側の二番目の棟を母親と二人で借りて住んでいた。母親は40歳とまだ若いがここ最近身体がだるく調子を崩し始めていた。そんな時に私と彼女が出会い母親に紹介する為、夜10時頃二人で家にお邪魔した。私が書いたラブレターを母親に見せる彼女、「貴女の気持ちが自己犠牲の上に成り立って」などと偉そうな分かった風な青臭い内容の手紙だったと思う。それがどうやら彼女と母親に通じたようで、二人の仲を認めて貰い、いずれ結婚まで約束し早速二人だけで暮らしを始めようなどと今思えば無茶な話であった。そんな話で盛り上がり、気が付くと時計は午前0時を回っていた。その時母親が「あれ由美ちゃん今夜は来ないね?」と娘に話かけた。「うん?何の事?」当然私は切り替えした。そして彼女の口から恐ろしい話が聞かれたのである。このアパートに越して来たのは一ヶ月前でつい最近であった。最初は何も気にしていなかったのだがどうも様子がおかしいと気づいたのは半月も経ってからだった。大体時間は決まっていた。午前0時を迎える頃になると足音が聞こえて来るのだ。遠くから聞こえて来るあの「ジャリジャリジャリ」しっかりと正確に刻まれる足音はどうも男性の革靴の様に聞こえるらしい。その足音が自分の家の玄関の前でピタッと止まるのだと言う。最初は当然誰かが尋ねて来たと思い、玄関を開けるがそこに人影らしきものはない。そのような状態が毎晩続くと言う。そして母親の身体に異変が訪れてしまったのである。その足音が止まると肩が急に重くなるのだと言う。そして母親はとうとう入院してしまった。彼女が一人の時もやはり同じ状況になると言う。そして今夜0時を回ったが何も起きない。私は非常に興味が湧き、3時頃までいたが何も起こらなかったので家に帰った。私のアパートは新丸子のうらぶれた旅館の一室を借りて住んでいた。そこが二人の出発点になるとも知らずに。彼女と別れる時、国道1号線の片隅で轟々と排気音を撒き散らすトラックに気を取られながら熱い口づけを交わした。次の日彼女と何時もの喫茶店で待ち合わせた。彼女は桜田淳子によく似ていた。ポニーテールの似合うちょっと大人びた17歳だった。そして昨夜の続きがあったのだ。私が帰ったその後足音がやって来たと言う。さすがに信じられなかった。私はカメラを用意し今度は泊まり込んだが何も起きなかった。一体どうなっているのだろう?女性だけになると現れるその男の霊?について他の家や大家からは何も聞かされていなかった。ただその棟だけが頻繁に家主が変わっていた。そして更に今度は玄関の前で止まった足音が裏側に回りだしたのである。外で「チン」を飼っていたので、その時犬が「ウーッ」と低く吼えるそうだ。彼女まで体調を崩し始めたのでさすがに困り果て「御祓い」を依頼した。その結果分かった事は、この家に昔住んでいた若い男性の霊で安倍川で入水自殺をしていると言う。そしてこの家は俺の家だから皆出て行けと言っていると言う。何故男性が居ると現れないかと言うとどうも気が小さい性格で女性が相手だと出てくるようだ。多分女性に恨みを抱いて自殺した地縛霊だと思う。