旅館の価値とは何か。
顧客は旅行者として泊まるわけだが、そこに食事や温泉や娯楽などが提供されて、しめていくらと請求される。この金は何に対して支払うものか。
一泊二食で、安いものなら1万円を切り、反対に高いのなら青天井だろう。価格は何により決まるのか。
筆者は、温泉旅館関係者と、星野リゾート 奥入瀬渓流ホテルへ一泊体験の旅に出かけた。費用は大凡3万円であった。享受した価値から観ると安いと感じられた。
大胆な仮説を述べる。その価値とは、自分の認識の更新である。哲学的に云うと、生まれ変わった気になること。人は満足すると、ふつう 「もてなしが良かった」 と表現するが、その真に意味するところは本人の認識が上手に揺さぶられて刷新されたことに行き着く。これが筆者の結論である。
故に、施設や料理などの内容といった個別の価値で評価してはならない。
旅館業として原価があるのだから、下限があるのは当然だが、では上限まではどういう価格となろうか。
それは、顧客が体感するものの質に比例する。これが旅館の真髄である。
