GWに石川を代表する2つの名刹を訪ねた。

 

1つは、妙成寺(羽咋市)。北陸における日蓮宗の本山である。今の建物は加賀前田家初代から5代にわって造営されたもの。なかでも北陸唯一の木造五重塔(栩葺屋根では全国唯一)が素晴らしい。

 

その五重塔を、自然の地形を活かして建造された名勝庭園から眺めたとき、加賀藩御大工といわれた大工集団が、幕府と肩を並べるほどの高い建築技術を保持していたのを悟った。

 

もう1つは那谷寺(小松市)である。この真言宗の寺は、717年に白山を禅定した泰澄により十一面千手観音菩薩を本尊に開創され1300年の歴史を紡いできた。

 

巨大な岸壁に寄って設けられた本殿内には、生と再生の魂を五感で触れられる「いわや胎内くぐり」がある。御心静かに巡ることで魂のウマレキヨマリが感じられた。

 

それにして大混雑を予想したが、実際に来てみるとがらすきであった。石川県人は寺があまりに多すぎて、わざわざ休日に詣でることはしないのかもしれない。

 

能登と加賀には未開発資源が眠っている。この目と足でその真価を見極めたい