いつもありがとうございます。
「金沢 粋屋」佐田です✨


工房を引っ越ししてから数ヶ月経ちますが、まだ引越ししきれておらず、制作の合間で棚作りしている状態です。


そんな状態なので旧工房からの荷物もまだ行き場が定まらずです。


そんな荷物の中にこんなのが…

そもそもなんでわざわざ石川から奈良に持ってきたのか、理由が思い出せない💦

多分、縁起がよいからもってきたんだな。
この瓢箪、木でできてるんです。


「鉄刀木」


と書いて「たがやさん」と読みます。
字の通り、鉄の刀のように重いです。
硬いです。
そして高さ50cmと結構デカい😳


今回引っ越すにあたって、捨てようかとも思ったのですが、ちょいと捨て辛い理由がありまして…




奈良に来たての頃は、毎日のように学校帰りの小学生が工房に立ち寄ってました。

「木ぃ屋さ〜ん」
とか
「おっちゃーん」
とか…

「なんか作ってー」とか「今何時ー」とかいろいろです。

休日には工房前が「プチ工作教室」になり、大家さんに怒られたこともありました(笑)


ある時、よく下校途中に数人でつるんで来ていた6年生の中のひとり、番長キャラのジャイアン(仮名)が、
おもむろに

「これ俺にくれっ」

と指差したのが、工房の入り口に置いてあった、この瓢箪でした。


今じゃ人気ないけど、昔は結構いいお値段をしていたし、それも縁起物で工房の未来を背負っているかもしれない瓢箪を、そうそう簡単に手渡せるはずもなく、


「よっしゃ、おっちゃんに腕相撲で勝ったら持っていっていいよ😬」
とか〜るく冗談で言ったつもりが、



「やったー😍」
だって…

勝つつもりなんだねぇ。


数人が見守る中で、
右手、左手、お決まりの両手で男同士の真剣勝負をして、小学生相手にまたまた大人げなくも
「おっちゃんはいつでも勝負受けるよ。中学生になっても、高校生になっても…いつでもいい、おっちゃんに勝てるようになったらおいで。ほんで勝てたら持っていき😤」



当時はまだ息子が小学1年か2年だったな。
息子の挑戦を受ける父ちゃん気分だったのかもしれないね。



くやしそうなジャイアン(仮名)は
「絶対にまた来る」
そう言い残して帰りました。

それからしばらくして学校からの御達しがあったようで、集団下校が増え、子ども達も工房へ寄ってくれなくなりました。
後から聞きましたが不審者等が多くなり、下校途中での寄り道はご法度になったとか。


あれ以来ジャイアン(仮名)と会っていません。いまは大学生かな?

来るなら来い。

早く来ないと、それは挑戦ではなく、ただのおやじ狩り?おじいちゃんイジメ?になってしまうがな😩



 「絶対にまた来る✨」



この一言が瓢箪を捨てられない、ささやかな理由なのです。