(画像はセキ6000で,今回の製品とは異なります)
2024/4/5,KATOは主に2024年8〜9月に発売する製品を発表・受注開始しました.今回は新規でパーツをほとんど作っていないことも含めて,ちょっと思うことがありますので,順番をちょっと変えて紹介します.特記なしは8月発売予定です.
数々の新製品
- ハイエースの4台セットが3製品,5月に発売されます.1台1,000円を超えてしまっています.
- ポケットラインのチビロコ(メルヘンの国)が,モーター変更して再販されます.同じくモーターが変更された「たのしい街」に比べて1,000円値上げとなっております.
- なお,「たのしい街」の製品がよく似ていると言われている,伊予鉄道の坊っちゃん列車は,運転士不足を乗り越え,3/20から運行を再開しています.特典の松山市駅の観覧車の利用権利が「割引料金適用」に変更になっています.
- N700Sのサウンドカードが5月に登場します.岩崎大整氏の楽曲「会いにいこう」が収録されていることもあり,価格は4,000円を超えています.
- 「みなとみらい線」こと横浜高速鉄道のY500型が,仕様・価格変更されて9月に再生産されます.KATOにゆかりの深い新宿区や鶴ヶ島市も走行します.
- アメリカ型では,ユニオンパシフィック色のミルウォーキーロード「オリンピアン・ハイアワッサ」が12月に登場します.
- 鉄道模型コンテスト2024の申し込み受付が開始されています.
E217系
E235系への置き換えが進んでおり引退間近ということもあり,このタイミングでの再生産となりました.新塗装・更新車で,これまであった4両基本セットはなく,8+3+4の構成となります.前回製品よりかなりの値上げとなってしまいました.
また,今回は一時期存在した「湘南色」も未更新車の姿で特別企画品として登場します.JR東日本が不定期的に行なっている撮影会においても復刻されるなど人気がある形態です.しかし,実車が15両固定で運用されていたということもありますが,その価格が税抜で50,000円に近づいてきています.これはちょっと欲しくても買えないという方も多いと思いますが,かといって「10両セット」「5両セット」とすると一方が売れ残る可能性があります.
スーパーくろしお 旧塗装
これまで昔のTOMIX製品でしか登場していなかった,白地に赤と黄色の帯である「スーパーくろしお」旧塗装が登場します.本日4/5に引退するクロ380型はこの列車のために登場しました.模型でも,登場時の4列シートグリーン車のパーツが製作されます.
よくこの製品に対して「このタイミングで『スーパーやくも』を発表できなかったのか」という意見を目にしますが,実際問題として,現在のKATOでは「くろしお」と「やくも」を交互に製品化しているところ,先日「国鉄色やくも」を発売したばかりであり次は「くろしお」を作る判断をすることは自然であること,メーカーの設計・生産計画は実車の動向が利用者に発表されるよりずっとずっと前にはもうほぼ決定していないとなかなか厳しいところがあり,今回で例えると,「『スーパーやくも色』を含むクロ380が引退するのが2024/4/5である」ことを利用者に公式発表した2023/12/15時点で,新しく「『スーパーくろしお』の企画を停止して『スーパーやくも』に変更し,塗装パターンなどの設計に着手して,4/5に受注を開始する」というのはかなり無理があると思いますのでやむを得ません.製品化を内部で正式決定する前に設計(場合によっては取材も)に着手するのは問題があり,仮にこのような設計をしたところで,色合いなどの調整で難儀することは,それこそ事実上のこの製品の前回製品「リニューアルくろしお(青と白のツートン)」を見て理解されるのではと,筆者は思っています.
D51 北海道型・セキ3000
2014年に発売されたこの製品は,現在となっては鉄道模型ファン垂涎の一品となっており,中古市場で高値で取引されていました.その点では大変嬉しい再生産です.
セキ3000も10両セット・2両セットがあるのが2014年ロットと同じで,現役SL時代の列車を実感的に再現できるように艶消し塗装となりますが,実は車番は2014年ロットと同じです.実車はセキが50両も連なっているので,ここはできれば車番を変更して,長編成を組んでも実感的な編成が組めるようにしていただきたかったことです.副次的な効果として,2014年ロットの中古市場価値を高めることができ,販売店の運営方針によっては販売店の助けになるのではないかと思っています.
牽引機はD51の他,過去にKATOで,先日TOMIXで発売された寒地型のDD51も有力です.というより,今回寒地型のDD51も出して欲しかった感はあります.
ちなみに,よく似た車両であるアメリカ型のコールポーターは再販のたびに車番が変わっています.筆者としても,この10年で鉄道模型に対する考え方が大きく変わっており,ひょっとするとこの製品ではなく,「ビッグボーイにコールポーターを引かせる」選択肢を取ることが十分考えられます.
8月に通常型が,9月に「ギースルエジェクター」煙突型が発売されるD51の2製品は現役最晩年で使用された車両の番号が収録されており,現存している車両も多いです.欲しい方は普通に入手しても良いですが,KATO京都駅店特製品の展開を待っても良いと思います.実車の運炭列車は50両以上を単機で引っ張っていましたが,模型では見栄え的・牽引力的にも重連にする選択肢があります.
また,今回は改造のために煙突やヘッドライトのAssyパーツが設定されます.
ヨ3500 北海道
(画像は過去に発売された信越タイプです)
車掌車は重要です.個人的にはこれだけでもコレクションに加えておきたいと思っています.
以上です.
個人的には,このポスターの製品を生産する原料・使用する金型で,もう少し企画を練っておけば,もう少し売り上げにつながったのではと思ってしまいました.このような感想を持ったポスターを見たのは久しぶりです.
最後に一言申し上げて,この記事を締めます.