細かいところに注目 TOMIX 2021年10・11月 | 金屋代かずおのお部屋

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(何故か200系の画像がありました)

 

5/13 10:00,トミーテックは2021年10・11月に発売するTOMIXブランド製品などの受注を開始しました.2021年は「静岡ホビーショー」が「業者招待日」のみで行われており,トミーテックは出展を直前で見合わせたものの,それを意識したタイミングでの情報解禁となりました.

昨今TOMIXは品質に問題があると言わざるを得ない製品を多く製造しており,多くの魅力的な製品が発表されていますが,現在のところ筆者が導入するのは9月発売予定の芸陽バスのみです.2005年に発売された事業者限定品以来の久しぶりの登場となりました.

 

それでは見ていきます.特記なしは11月発売予定です.

なお,本日はJR西日本もプレスリリースを出しており,折しも今回TOMIXで発売される製品に関連した線区の話題でありますので,一緒に紹介します.全てのNゲージ製品に「M-13モーター」が採用されています.

1枚目

  • 200系のリニューアル車がリニューアル再生産です.2004年の「新潟県中越地震」の被災車であることが記憶に残っていると思います.ヘッドライトフチに銀色が印刷されるなどのリニューアル,値上げがあります.
  • りんかい線の車両がリニューアル再生産されます.セット構成が「4+6」から「6+4」に変更され,値上げされます.りんかい線全線開業・埼京線乗り入れ前は4両・6両編成もありました.

2枚目

白地に青帯の「新北陸色」の475系です.北陸ローカル用475系の,前面表示部が完全に埋められた姿,クモハ475型の床下,セミクロスシートが新規製作され,前頭部ダミーカプラー採用,空気配管が再現された最新仕様で,現状「新北陸色」の475系が必要な場合は決定版になり得ます.ベンチレーター撤去前後の姿が同時発売となります.価格は同一車種構成の旧製品より若干高くなります.北陸用のクモハ475と,クモハ455の床下は実は異なるとは知りませんでした.
(画像はあいの風とやま鉄道の413系です)
 
最大のポイントはテールライト・乗務員扉周りの塗装でしょうか.前面表示部が埋められた姿にはならないかもしれませんが,475系はKATOでも作り得るモチーフであリ,実際に「新北陸色」のモチーフは最新仕様でない現行製品で製品化されていたことには留意しておきます.

なお,北陸新幹線の福井〜敦賀に設置される,「南越」と仮称されていた新幹線単独駅が「越前たけふ」になったことが発表されています[1].特急街道である北陸本線の姿も過去のものとなります.

3枚目

TOMIX45周年記念アイテムとして製品化が事前に発表されていたキハ30系が受注開始です.まずはクリームと赤のツートン「一般色」となります.関西本線(名古屋〜亀山〜加茂〜湊町の全線),奈良線.川越線.房総線(木原線;現いすみ鉄道含む)に対応した前面方向幕は,実車同様にガラスの奥側に表記が記されたこだわりの設計です.ライトは1灯式です.前面防護板も選択で取り付けられるという,カスタマイズ性が高いアイテムとなっています.

商品構成は「キハ35M+Tの2両セット」「キハ30M」「キハ30T」「キハ35T」となっており,少数派であったキハ36は今回製品化が見送られています.

もちろん,TOMIXがこれまで発売してきたキハ10・20・40・45・55・58(・66)系とも連結可能です.KATO製品とは使い方が異なると思います.

売れれば「首都圏色」「500番台」「900番台」「相模線」「久留里線」「加古川線」「広島色」「いすみ鉄道保存車」などに展開されうるでしょうが,キハ30系は上述の気動車群では人気が少ない傾向があります.場合によっては生産数が絞られて入手が困難になる,というケースも考えられます.

4枚目(10月発売予定)

  • 5月発売予定の「大和路線」に続く103系JR西日本仕様に早くも第2弾です.大阪環状線のオレンジ色です.サハ103型や,特別企画品では初期冷改車が含まれます.ただし,今回の製品は「クハ103-1」は見据えられていないようです.
  • 折しも,大阪環状線は2021年で全線開業60周年を迎えます[2].ひょっとすると,103系JR西日本仕様はこの周年を踏まえて企画されたのかもしれません.
  • 「WEST EXPRESS 銀河」の紀南コースの運行ダイヤが発表されました.上下とも「京都・東海道・大阪・大阪環状・天王寺・阪和・和歌山・紀勢・新宮」のルートで,7/16〜12/22の,下り夜行新宮行きは金・月曜日発,上り昼行京都行きは水・日曜日に運行されます.下り列車は串本に約2時間停車するなど食事にも考慮されたダイヤとなる一方,上り列車は「くろしお」の停車駅を中心にこまめに止まり,新宮→京都を10時間かけて結びます.ただし,紀伊田辺・御坊ではドアが開きません.今回も旅行商品として発売されます[3].

(参考:今年最後に柳井駅に停車した「WE銀河」)

紀勢本線には夜行列車の歴史がありますが,数ヶ月前の予約・現地での宿泊が必要である列車の性格上,「WE銀河」は,気象海象を配慮して実行を決定する釣り観光目的では使用しづらいかもしれません.そもそも,現代の紀伊半島西岸には高速道路の整備がしっかりと進んでいます.

5/17 追記:今回も目的地での宿泊が必須となります.京阪発は須佐美・串本・太地・紀伊勝浦・新宮が目的地に,紀南発は新宮・紀伊勝浦・串本発から天王寺・新大阪・京都・三ノ宮が目的地になります.新大阪〜京都・三ノ宮は普通列車(通常は新快速になるでしょう)利用です.

 

話がずれました.

5枚目

入門者向け製品ですが要注目です.

  • 223-2000系と,EF210新塗装のベーシックセットが8月に発売されます.223-2000系は車番印刷済み・転落防止幌なし,EF210のセットには後期型コキ106がJRFマークなしで3両,20Dコンテナが15個付属しています.転落防止幌がない223-2000系の金型は残っていたということで嬉しい配慮です.この製品は待望の製品であり,KATO製品の改良にもつながったと思います.
  • 「ファーストカーミュージアム」に,8〜9月に3製品追加されます.100系X0編成譲りの「吊り目」が200系200番台で初めて修正された後で初めて発売される100系製品ですが,「吊り目」の修正が反映されているかどうかが注目されます.ただし,資料写真ではまだ修正されていないようです.
6枚目は1/80の,「富士・はやぶさ」牽引用のEF66が10月に発売予定です.
 
また,2軸貨車11製品が5月に,1/80のコキ50000が今後再生産予定です.
 
さらに,「トレインボックス」では,117系0番台(中間車)・300番台(先頭車)の混成による青地に白帯「和歌山色」が製品化発表されています.販売時期・方法・価格は未定です.
 
国鉄・JRを含めて天王寺鉄道管理局管内(+大阪環状線)が大きく充実するラインナップになりました.「静岡ホビーショー」で発表する分には少し寂しいラインナップですが,完全新規製品の受注開始は発表できています.とは言え,103系・475系とも(営業・採算的にはともかく)技術的にKATOで作れうるモチーフであることは念頭に置いておきます.

 

さて,筆者の元にも今年最大に楽しみにしていた「Class 800」がやってきました.後日紹介する予定です.

 

5/14追記:「Class 800」についてはこちらをご覧ください.

また,TOMIXは5/14に行われたインターネット生放送上で,「201系」の製品化を発表しました.205系と同様の,鉄コレからのリメイクとなります.

KATOは201系のサウンドカードを最近発売しており,何かしらの展開が予想されます.TOMIXの201系はJR西日本体質改善車を軸に展開されると嬉しいです.

 

同時期のKATO製品はこちらです.

 

[1]:

https://www.westjr.co.jp/press/article/items/210513_00_hokurikushinkansen.pdf

[2]:

https://www.westjr.co.jp/press/article/items/210511_00_osakaloopline60anniversary.pdf

[3]:

https://www.westjr.co.jp/press/article/items/210513_00_ginga.pdf