(時代の急激な変化に対応せざるを得なくなったN700S)
近年,車椅子をご利用の方でも公共交通機関を使用できるになるなどの交通バリアフリーに関する整備が,国・自治体を始めとして急激に進んでいます.(2021年3月現在はともかく)利用者・運転本数が非常に多く,最高速度・加速度・運転曲線・車両ごとの旅客定員など車両性能を完全に揃えていた東海道新幹線においても,ついに重い腰が上がりました.
2021年4月中旬以降に,「車いすスペース」が6席分追加されたN700Sの運行が開始します.N700Sの車両スペースに余裕があるとは言いがたく,おそらくは車内の座席配置を変更してスペースを捻出すると思われます.つまり,「16両1323席」が崩れることになると思われます.法令で決まっていたとはいえ,2020年度ダイヤでようやく念願の車両性能完全統一を果たしたJR東海にとっては新たな課題となります.もっとも,以前の車両も今後改造・置き換えとなって再度統一されるものと思われます.
なお,当該車両の運用は運行当日,JR東海のホームページで公開されます.一般の利用でも当面の間「確実にN700Sに乗車できる列車」ということになりますので注目されます(変更になる場合もあります).N700Sは2021年度ダイヤで,東海道新幹線区間内での限定定期運用が組まれています.
さらに,JR西日本では車いす対応座席の指定券のネット予約の試行実施,JR東日本では車いすスペースを設置したE7系の運行を開始します(JR東日本では車いす対応座席のネット予約は既に可能です).
趣味的に見ると「16両1323席」は東海道新幹線の根幹をなすアイデンティティーであるように見えますが,必要な変化はなされなければなりません,ということで,当ブログでも取り上げた次第です.
模型的にはTOMIXのN700Sは設計時期的に「1323席」で製造されるしかないですが,KATOのN700Sがどちらで作られるのかが気になりますと,追記しておきます.
4/24追記:車いすスペースを増設したN700S(J13編成以降)の運用は以下のサイトに掲載されています.
https://railway.jr-central.co.jp/pwd/wheelchair/index.html
2021/12/28追記:
この日は大雪で東海道新幹線の運用が大きく乱れ,偶然にも指定席が「車椅子スペース」になってしまったとSNSなどで話題になりました.東海道新幹線の運営に当たって車両の性能を極力揃えておきたいということがよくわかります.
参考
https://jr-central.co.jp/news/release/_pdf/000041000.pdf
https://www.westjr.co.jp/press/article/items/210310_10_press.pdf
https://www.jreast.co.jp/press/2020/20210310_ho01.pdf
今後の更新予定
- 3/11で「WE銀河」の山陽方面運行が終了となります(再設定は未発表です).筆者もスケジュールを調整し,柳井駅に足を運ぼうと考えており,訪問した場合はそのことに関して記述します.更新は17:30以降となります.
- 恒例となったトミーテックの新製品解説生放送が,3/11 12:00から行われます.これに関連して新製品が発表になると思われます.3/12以降に考察記事を書く予定です.更新は17:30以降となります.
- 3/13または3/14に,恒例となった「鉄道もけい展示会」レイアウトを使用した動画を公開します.
- その後,「WE銀河」に関する動画,話題がある車両の模型,最近発売・入手した模型の記事などを公開する予定です.