2019/8/15 3/5 北太平洋の女王 氷川丸と横浜港の船 | 金屋代かずおのお部屋

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周防大島町を拠点に鉄道旅行・鉄道もけいの活動を行っています.

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(北太平洋の女王にして,横浜港のシンボル)

 

本日は,横浜市山下公園前に係留されている「氷川丸」を紹介します.氷川丸は博物館船として内部を見学することができます.

 

銘板です.1930年に横浜船渠で製造,日本郵船が運航し,主にシアトルへ向かう航路で活躍しました.戦中は病院船に改装,戦後も復員輸送や貨物輸送,さらにシアトル航路に復帰して活躍,1961年から係留され,2008年に改めて,日本郵船の運営により一般公開されています.2016年には重要文化財に指定されました.

一等の接客設備

一等の乗客には豪華な設備とサービスが供されていました.

 

児童室です.ステュワーデスと呼ばれる担当者が,子供の乗客の面倒を見ていたそうです.

食堂です.写っている範囲の左右にも大きなスペースがあります.連日のように豪華な食事が供されました.

読書室です.船旅は長く,家族や知人に手紙を書きたくなる時が多いようでした.

社交室です.暖炉が特徴的です.毎晩のようにダンスパーティが開かれていたそうです.

喫煙室です.主に男性の乗客が一級品のお酒とタバコを嗜みながらゲームなどをしていた場所です.重要文化財なので当たり前ですが,現在この場所で喫煙することはできません.

ここにもステンドグラスがあります.

1等客室です.広くはないですがシンプルにまとまっています.鉄道ファンでしたら,「北斗星」「トワイライトエクスプレス」の「ロイアル」を思い出しそうです.

さらなる特別室です.ステンドグラスがよく似合います.

デッキも広々としています.

ちなみに,三等客室はこんな感じです.「日本丸」の練習生居室にも似ています.

船の心臓部

船長室です.操舵室とつながる管が用意されており,いつでも指示することができます.客船の船長には,乗客との社交も求められるので大変です.

操舵輪です.

「氷川丸」は大宮の氷川神社にちなんで名付けられています.現在でも神棚に氷川神社の札が掲げられています.

その操舵室からみた光景はこんな感じです.天気が良い日はさぞ大海原が綺麗に見えたことでしょう.

8気筒のディーゼル機関2基が動力です.これは3段になっている最上段のもので,いかに機関が大きいかということがわかります.当時としては最新鋭の機関です.

操作は気筒ごとにこのハンドルを使っています.

機関室内は轟音が響き渡ります.船長や操舵室とのやり取りはこの電話ボックスないで行なっていました.

 

その他,船内には氷川丸の歴史・船内生活などに関する展示があります.

航空機のファーストクラス・現在のクルーズ客船に通じる豪華サービスは,元をたどれば氷川丸のような太平洋・大西洋を横断する船舶のサービスが元になっています.困難も多い中でサービスを提供するすべての乗組員の努力が感じられます.

 

横浜港の船たち

横浜港には多くの船が入ってきます.

日本郵船の子会社「郵船クルーズ」が運行しているクルーズ客船「飛鳥Ⅱ」です.氷川丸の孫娘といっても過言ではありません.

横浜港を遊覧する「マリーンシャトル」です.各種パーティも開くことができます.

大さん橋に移動します.「ロイヤルウイング」も,横浜港を遊覧するレストラン船です.お祝いパーティにはうってつけでしょう.

クルーズ客船「ぱしふぃっくびいなす」です.

クルーズ客船「ダイヤモンドプリンセス」です.日本製で外航クルーズに使用されます.とにかく大きいです.ビルと見違えるほどです.

もっとも,船は建物と同じような作り方をします.

大さん橋の中には模型の帆船が置かれています.これは「北光丸」といい,かつて函館の商船学校(現在は北海道函館水産高等学校)が操帆訓練に使用していたものを復元したものです.詳しくはこちらに書かれています.

 

続く

 

この日の横浜は蒸し暑かったですが,あと一箇所まわっていますので,後日紹介しようと思います.

(船舶・港湾関係ではありません.なお,「日本郵船博物館」は未訪問です)

 

明日は,重要文化財に指定された3隻目の船を紹介します.