#755 ヨハン・シュトラウス1世「ラデツキー行進曲」 | 漂流バカボン

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何か適当なテーマを自分で決めて自分で勝手に述べていこうという、そんなブログです。それだけです。

今回、遅ればせながら、自分にとっては新年初めてのブログとなります。

 

 

今年は年明け早々、それも元日から心重くなるような災害が発生し、正直新年を心楽しく祝うという気分ではありません。

 

自分自身も1995年に阪神淡路大震災に被災している経験から、今回の震災での能登半島の倒壊した家屋やビルの映像を報道で見ると、もう30年近く前にもなりますが、神戸で目の当たりにした現実がフラッシュバックしてきて、辛い気持ちになります。

 

ただ、2011年の東日本大震災や1923年の関東大震災なども含め、それこそ日本という国で生きていく以上、これから将来も通じて、「震災」というものは、絶対に避けては通れない問題である事を痛感します。

 

震災に被災した地域は、今後長い時間をかけて「復興」への取り組みが始まると思います。

 

まずは現在被災されている石川・能登の皆様の無事を祈りつつ、復興へ向けて自分なりにサポート出来ることがあれば、可能な範囲で行っていこうと思います。

 

そして個人的な思いで恐縮ですが、最近このブログで取り上げた、自分が敬愛する作家の西村賢太氏(#740)の眠るお墓がまさに今回の震災で大きな被害を受けた七尾市にあり、そちらの状況も気掛かりです・・・。

 

 

 

さて。

 

自分自身この20年来、年明けに楽しみにしている事がひとつあります。

 

それは、クラシックのどこかしらの楽団の「ニューイヤー・コンサート」を聴きに行く事です。

 

 

元々クラシック音楽と自分は、あまり日常的なお付き合いはありません。

 

しかし、確か最初は20世紀最後の2000年1月、何がきっかけか忘れましたが、「ウィーン・ヨハン・シュトラウス管弦楽団」の新春コンサートを聴く機会を得ました。

 

そこで自分はまず「ウィンナ・ワルツ」にハマってしまったのです。

 

 

このコンサートで演奏される「ウイーンの森の物語」「皇帝円舞曲」「美しく青きドナウ」など、ヨハン・シュトラウス2世の手による華麗なワルツの数々、そして陽気なポルカは、新春に聴くにふさわしく、気分を高揚させてくれます。

 

これからの1年を、頑張って生きていこうという気持ちにさせてくれるコンサートだと思います。

 

 

 

その後も折に触れて、お正月明けには様々な楽団のニューイヤー・コンサートに出向いていましたが、これらのコンサートにはおおよその傾向があります。

 

それは、プログラムにウインナ・ワルツがいくつかは取り入れられており、その他の楽曲も祝祭的なものが多い事です。

 

そして何より、これらのニューイヤー・コンサートの共通点が、

 

例外なく、アンコール曲がヨハン・シュトラウス1世の「ラデツキー行進曲」である、という事です。

 

 

 

数々の名作ワルツを作曲したヨハン・シュトラウス2世の父である、シュトラウス1世。

 

芸能界でも2世といえば、一般的には「親の七光り」とか「2世タレント」と言われ。親を超える活躍をする芸能人は限られています。

 

しかし、ヨハン・シュトラウスに関して言えば、一般的には「ヨハン・シュトラウス」といえば、ほぼ「ヨハン・シュトラウス2世」の事を指し、その父親である1世のことは、ほとんど語られません。

 

ただ、この「ヨハン・シュトラウス1世」が最も名を残した曲、それが「ラデツキー行進曲」です。

 

 

今年は、大阪フィルハーモニー交響楽団の新春コンサートに出向きました。

 

クラッシックのコンサートの多くでは、入場時にパンフレットを渡されて、その日の演奏曲目(いわゆるセットリスト)を前もって知ることが出来ます。

 

 

 

 

この日も、「新春名曲コンサート」のタイトルに相応しく、「皇帝円舞曲」や「威風堂々」、そして「ボレロ」などの演奏を十分堪能し、幸福な時間を過ごすことができました。

 

しかし、このパンフレットのプログラムに載っていない、いわゆる「アンコール曲」が、「ラデツキー行進曲」です。

 

 

自分がこの大阪フィルの新春コンサートを聴きに行くのは、おそらく今回が4回目くらいになると思いますが、毎回盛り上がるのが、「お楽しみ抽選会」です。

コンサート後半に、座席番号のくじ引きを行い、さまざまな景品の抽選を行うコーナーがあるのですが、恒例の目玉商品?である特等が、アンコール曲の「ラデツキー行進曲」を指揮できる権利なのです。

 

数千人の観客が入っているコンサートなので、確率的にはまず当たりようもないのですが、それでもこの特等の抽選の時には、「万一当たったらどうしよう・・・」というドキドキ感があります。

 

今年はこの特等を小学校3年生のお嬢さんが射止め、しかも物怖じしない堂々とした指揮ぶりに、会場は非常に盛り上がりました。

 

 

「ラデツキー行進曲」のキモは、明快で勇壮なメロディー、そしてオーケストラと観客の一体感です。

 

冒頭からいきなりのクライマックス、いわゆる「サビ始まり」の曲です。

この入りから、聴く者の気分はいきなり高揚します。

 

そしてその後は、観客の手拍子が入ります。

行進曲の演奏に合わせて手拍子を打つのですが、弱く打つところ、強く打つところ、そして手拍子を休むところ、それぞれにメリハリがあり、まさに自分自身がオーケストラ演者の一員となって「手拍子」という楽器を演奏している気分になります。

 

自分はこの「ラデツキー行進曲」を実際のオーケストラで何回聴いたかは覚えていませんが、手拍子のない演奏はただの1回もありませんでしたし、まさに手拍子が曲の一部と言っても良いでしょう。

 

実際この曲の「手拍子なしバージョン」を聴こうと思えば、例えばこの曲のCD(しかもライブ盤でないもの)で自宅などで聴くなどすれば叶いますが、やはり物足りないですね・・・。

 

もちろんそんな時は、聴きながら自分で手拍子を打ってしまいます。

 

その為、「ラデツキー行進曲」だけは、車を運転してカーステレオで聴くのは危険です(^^;