#754 飯島真理「1グラムの幸福」 | 漂流バカボン

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何か適当なテーマを自分で決めて自分で勝手に述べていこうという、そんなブログです。それだけです。

自分が中学生から高校生くらいの頃に、ゴールデンタイムに「わくわく動物ランド」という番組が放送されていました。

 

動物バラエティーの先駆けとも言える番組で、世界中の珍しい動物の生態を、結構真面目に取り上げていた番組でした。

 

確か、「エリマキトカゲ」や「ウーパールーパー」なども、この番組が最初に紹介し、その後全国的にブームになっていきました。

 

 

この番組で自分が印象に残っている出演者が、「千石先生」です。

 

爬虫類、両生類というちょっと変わったジャンルの生き物をこよなく愛し、やや変わったキャラながら、ユーモラスであり視聴者に愛された学者さんでした。

 

それでも、自分の好きな生物について語るときにはとても楽しそうで、このオンエアを観た自分も生物学者に憧れを抱き、もしかすると将来そういう道もアリかも?と思わせてくれました。(ちなみに、自分が高校時代に最も成績の良かった科目も「生物」でした)

 

今は違う職業についている自分ですが、いまだに生物学者には少し未練があります。

 

 

 

この記事を書くにあたり千石先生の事を検索してみたところ、何と千石先生は10年以上前に病に倒れ、60代の若さでお亡くなりになっておられたとの事です。

 

謹んでご冥福をお祈り致します。

 

 

 

 

 

 

そして、何といってもこの番組で印象に残っているのは、番組の内容もさることながら、エンディングテーマの曲。

 

それが、飯島真理の「1グラムの幸福」です。

 

 

 

 

松本隆作詞、飯島真理作曲のこの歌は、まさに動物番組のエンディングにふさわしい、癒しに溢れたものでした。

 

様々な動物が映し出されるカットとともに流れるこのエンディングテーマ、系統としては竹内まりや「元気を出して」や、松任谷由実「守ってあげたい」に共通する「母性系」(?)の曲ですが、色々な動物が自分の子供や子孫を守るために、時には自分の命をなげうつ行為を行うVTRを観た後でこの曲を聴くと、当時まだ10代だった自分は、生命は状況によっては「利他的」な行動を取るのだという事や、人間も生物の一種として、自分よりも大切な他者を想い守る力があるのかもしれない、と気付かされました。

 

そしてこの曲自身、番組と切り離して聴いても、色々な事に気付かされます。

 

 

 

♪ああ 幸福を 1グラム あげましょう

 

ああ 何もないけれど

 

手のひらの 上に乗せて

 

 

 

これがサビの部分の歌詞ですが、何故幸福が1グラムなのか。

 

一般的に言えば、1グラムというのは「微量」に相当すると思います。

 

幸せを十分にあげたいと思えば、例えば「ありったけの幸福」とか、「100万tの幸福」とかいうフレーズの方が、幸せに満ち満ちているような気がします。

 

しかしそこをあえて「幸せを 1グラム あげましょう」と歌うことで、幸福をあげる側の精一杯な気持ちが、聴く者の心をとらえます。

 

自分も幸福の手持ちはわずかだけれど、その中で、愛するあなたに貴重な1グラムだけでも幸福を分けてあげたい、という心情の表明です。

 

 

 

この「1グラムの幸福」の希少価値は、どんな大量の幸福よりも遥かに高いと思います。

 

 

自分自身も、この「1グラムの幸福」の大切さを感じられるような感受性を保って、これからも生きていきたいと思います。