■タイトル
鹿の王 3、4
■作者
上橋菜穂子
■あらすじ
何者かにさらわれたユナを追い、<火馬の民>の集落へ辿り着いたウ゛ァン。彼らは帝国・東乎瑠(ツオル)の侵攻によって故郷を追われ、強い哀しみと怒りを抱えていた。族長のオーファンから岩塩鉱を襲った犬の秘密と、自身の身体に起こった異変の真相を明かされ、戸惑うウ゛ァンだが・・・?
一方、黒狼病(ミツツアル)の治療法を求め、医術師ホッサルは1人の男の行方を追っていた。病に罹る者と罹らない者、その違いは本当に神の意志なのかー。
■出版社
角川文庫
■表紙
■感想
感染病との戦いを描いた本作。
その病に対して、多くの思惑がからまってがんじがらめになっていました。
医療だけでなく、故郷、政治、民族、矜持そして愛情が絡み合って、物語は複雑な様相を呈していました。
ファンタジー小説ですが、大人にこそ読んでほしい一冊です。
個人的には、飛鹿(ピユイカ)のレース直前に、ウ゛ァンが乗り手に飛鹿の扱い方を指導しているシーンがお気に入りです。
かつて戦争で争ったツオルとアカファ。両国の人間が、国は関係なく純粋に飛鹿乗りとして競っている姿が、
なんだか理想的な人間のあり方に見えました。
いろいろ忙しくて読むのに時間がかかってしまいましたが、ウ゛ァンとホッサルの人生を追体験できたみたいで、
とても濃い経験ができた感覚です。
この緻密なファンタジーは一生私の中で色褪せないと思います![]()

