再復帰後には、バラエティーや、アダルトな仕事にも取り組んだ天地真理さん。

 

週刊平凡 1983年12月1日

 

 

女性はどうして、裸になるとき、あんな名文句がいえるんだろう?

公開中の『白蛇抄』で豊満なボディーをご披露してくれた小柳ルミ子も、こうアイドル脱皮宣言をやって大向こうをうならされてくれた。

 

「きれいごとでない31年間を私なりに歩んできたんだって、わかってほしかったんです」

 

では今回ナマツバごっくんのセミヌードを見せてくれた真理ちゃんの場合は?

ソレが、なんていいますか、イマイチはっきりしないのです。

 

「脱がないかって話は以前から何度もあったのよ。でも、(以下略)」

 

天地真理さんの場合は、本当に綺麗事ではなかったのだろう。能書きはいらない。

 

 

いずれにせよ今度の〝華麗なる変身〟作戦は大成功だったみたい。なんでも、真理ちゃんの裸をめぐり、にっかつと東映が一大争奪戦を展開中なんて、景気のいい噂もある。もちろん、彼女のほうもドンと受けて立つ構え。

 

現在梅田コマに出演中。『ヒット・パレード』でむかしのままのスタイルで登場、『虹をわたって』をうたいだすと、すかさず大向こうから「真理ちゃん!」のかけ声がかかる。

 

「むかしのファンのかたなんでしょうが、それが中年の声なんですよ。だから、ほかのお客さんゲラゲラ笑うの」

 

イメージと実態のこのはなはだしい距離。現実はとりもなおさず〝再生〟の難しさを物語る。今度はたぶん成功するだろう。だが、

 

続いて、

 

天地真理が「オレたちひょうきん族」にレギュラー入り!! すっかり三枚目路線定着、という記事。

 

週刊明星 1983年10月13日

 

彼女を引っぱり出したのは三宅恵介ディレクター。沢竜二の一座で大衆演劇の舞台に出ていた天地真理を見つけ「これはいける!」と踏んだのだ。事実、天地真理は「いつまでも『水色の恋』(デビュー曲)でもないでしょ」などと、舞台でしゃれのめして客をわかせていた。

 

アイドル意識から完全にふっ切れた彼女は、収録の時も「気軽にやれるワ」とコメディータッチの芝居に大乗り気。真理ちゃんスマイルも健在で、三宅氏も「レギュラーに起用したい」と太鼓判。

 

オレたちひょうきん族は、事務所がとってきた仕事ではなく、昔の名前と芸で出演にこぎつけ、自分の力で人気番組のレギュラーの座を勝ち取った、ということであった。

 

渡辺プロ在籍時には、セルフプロデュースの余地などあまりなかったが、今度の事務所では、ある程度の自由と、方向性は自分で決めることができたのだと思われる。バラエティはともかく、アダルトな仕事まで始めて、歌手としての活動はかなり控えめであったように見受けられるが、

 

微笑 1984年11月24日

かつての超アイドルスターも、すでに33才。最近は、フジ系『オレたちひょうきん族』などにレギュラー出演はしているものの、本業の歌手のほうは閉店休業といったおもむき。去年の2月にCBSソニーから、レコードを1枚出したが、売れたのは1万枚程度。その後のレコーディング予定はまったくない。あるレコード関係者は、こういう。

「営業(地方のクラブなどに出演すること)にも出ていないようだし、生活にも困っているんじゃないですか。(以下略)」

 

レコード会社としては、レコードディングの予定はないといっても、どんな形であれ歌手としての活動をしてくれないと、ヌードや不倫で世間を騒がせているようでは困る。

 

全く歌わなくなったということではなく、ステージには立っていたし、レコードを出せる状態ではなくなったから、他に活路を求めたということかもしれないが、それでもやはり、何が何でも歌手としてやっていくのだという感じではなかったようである。

 

前回の復帰で一度失敗しているということで、同じことをやっても仕方がないし、営業は、昔にキャバレーに出演したあの時代のことがトラウマになっているのかもしれない。

 

まあしかし、どんな仕事であれ、体調も体型も崩れることなく、比較的安定して仕事ができていたようではある。

 

おわり。