ネタバレ有りますのでレザレクションズ未見の方は閲覧注意でございます!
さてマトリックス三部作は私の人生で最も影響を与えてくれた作品でした。
なので映画館で見て、さらにDVDも買い、本当に何度も何度も繰り返し見た作品です。
よく三部作に批判的な人が「1は良いが2~3が意味不明」とか「仮想現実内でスーパーマンになれたネオが現実世界でも超能力を使えるのがおかしい」とか言っておられるのを未だに耳にするのですが、まずマトリックス(未来の仮想現実)は”量子コンピューターによって現実と全く同じ最小素粒子で構築されているのだ”という基本設定を知らねば映画マトリックスを理解することは出来ません。
つまりマトリックスを今の時代のVR的空間の延長線上にある仮想空間として見ると超ご都合主義の雑なSFに成り下がってしまうのです。
そうならない為の重要なシーンとしてマトリックス内でスプーンを曲げていた超能力少年がザイオンでも曲がったスプーンをネオに届けるシーンがあるのですが、ここでネオ自身と観客に対しマトリックスと現実の構造類似性を明確に伝えております。
もう少し説明すると、コンピューターのプログラムというのは0と1の羅列によって作られていることは大抵の人は御存知だと思うのですが、現実世界も最小粒子(未発見ですが)の有無の羅列とその動き(振動と波)で作られていると予測されています。
このことは大昔にブッダも発見しており、初期仏教(テーラーワーダー仏教)の本などには「悟り(解脱)とは世界が最小粒子の単位で刻々と変化して見える状態である」と書いてあったりします。
まさに1作目でネオが覚醒した瞬間に世界がプログラム(=0と1の羅列)で見えた状態こそがブッダの悟りの状態なワケです。
般若心経の「色即是空 空即是色」も初期仏教と照らし合わせれば同様のことを指していると思われ、色=有=1、空=無=0が刻々と凄いスピードで変化している様子をそのまま表現しているワケです。
そしてブッダによれば一度悟った者は死後輪廻転生のルールから解放され、好きな次元に生まれ変わることも生まれ変わらずに輪廻の外にいることも自由に出来るようになるそうです。
それを踏まえて見ると今回見たレゼレクションズ…あれ?悟ったハズのネオが…も…元に戻っとるじゃないですか!
あんなに苦労して唯一無二の存在として悟りを開いたのに”ハイパー長持ち乾電池”としてあっさり元に戻される別の意味で残念な無常観!
こんな残念な無常観…前にも感じたことがあったなぁ。
あ~アレだ!「機動戦士ガンダム 逆襲のシャア」!
ファースト三部作で人はニュータイプとして心が通じ合い未来が見えるようになる→だから戦っても勝負がつかない→だから戦いは無駄→だから分かり合える→…みたいな人類の平和への覚醒の話だったのに…
ニュータイプがただの勘の鋭いマルチタスク戦闘民族に成り下がっとる…地球人に比べて特別賢い考察も判断も出来ていない。(むしろ短絡的ですらある)
え?この「レザレクションズ」と「逆襲のシャア」が続編として正しいなら私は勝手に過去三部作を深読みして楽しんでいたってこと???
いや!まだそうとは限らない!何故ならレザレクションズの脚本はラナ(元ラリー)単独でありリリー(元アンディ)は不参加だし、逆シャアの脚本も富野由悠季単独でありファーストガンダム最終話を担当した星山博之が不参加だ!
そんなワケでレザレクションズと逆シャアのことは全部忘れてもう一度マトリックス三部作&ファーストガンダム三部作を見直してみようと思います。はぁ~。