『懲役太郎 まむしの兄弟』義理も人情も分からぬままに流れ流れて塀の中瞼に浮かぶ母さえ知らず身を立て名を成す夢も見ず傍若無人に無軌道に御意見無用で生きている桜の代紋 金バッチそんな物にゃあ尻尾はふらぬ『外道』だ『二流』だ『偽物』だ言いたい奴には言わせとけ『本物』なんかにゃなれずとも男の意気地はここにある歩いて行きます塀の上明日はどっちへ落ちるやら背中(せな)で荒ぶる筋彫りの二匹のまむしが泣いている黒い涙で泣いている