◇「さらば宇宙戦艦ヤマト」をご存じでしょうか
私と同じ世代の方なら、
このタイトルを聞いただけで、
思い出す方がいらっしゃるのではないでしょうか。
👉『さらば宇宙戦艦ヤマト 愛の戦士たち』
1978年に公開された映画です。
今でこそ、
大人がアニメ映画を見ることは、
ごく普通のことになりました。
しかし、当時は違いました。
そんな時代に、
この作品には約400万人もの観客が詰めかけました。
日本のアニメーションの、
社会的認知を変えた作品として位置づけられています。
まさに、
👉時代を変えた作品
と言っても過言ではありません。
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◇映画館は満席、通路まで人がいました
当時、小学生だった私も見に行きました。
場所は、
故郷いわき市の、
自分の街にあった小さな映画館です。
今では、
ちょっと考えられない光景でした。
映画館は満席。
それでも入りきれず、
👉通路には立ち見のお客さんがいっぱい。
今のように、
全席指定で座って、
映画を見る時代ではありません。
そして、
映画がラストへ向かうにつれて、
館内のあちらこちらから、
「シクシク……」
という、
すすり泣く声が聞こえてきます。
子どもも、若者も、大人も、
みんなヤマトを見ていました。
あの時の映画館の空気は、
今でも覚えています。
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◇沖田艦長が、古代に語りかける
物語の最後。
ボロボロに傷つき、
エネルギーも尽き、
戦う力を失ったヤマト。
圧倒的な力を持つ敵を前にして、
艦長 古代進は、
最後の決断を迫られます。
その時、
古代の心の中に、
亡き沖田艦長が現れます。
そこで語られる言葉が、
小学生だった私の心に、
強烈に突き刺さりました。
――人間の命だけが、邪悪な暴力に立ち向かえる最後の武器なんだ。
素手でどうやって勝てる。死んでしまって何になる。
誰もがそう思うだろう。わしもそう思うよ。
なぁ、古代。
男はそういう時でも立ち向かっていかなければならない時がある。
そうしてこそ、初めて、不可能が可能となってくるのだ。
私なりにその意味を言えば、
👉人間には、逃げずに立ち向かわなければならない時がある。
そして、
その覚悟によって、
不可能と思われたことが、
可能になることもある。
そういう言葉だったと、
私は受け止めました。
このシーンは、
第二次大戦中の特攻を、
美化しているのではないか、
という批判もあります。
しかし、
私は、そうは受け取りませんでした。
少なくとも、
小学生だった私の心に届いたものは、
👉「人間は、どう生きるのか」
という問いでした。
長い人生、
逃げることのできない場面がある。
自分が立たなければ、誰かが傷つくことがある。
理不尽な力を前にしても、
それでも立ち向かわなければならない時がある。
私は、
沖田艦長の言葉を、
👉人としての生き方を示した言葉
として受け止めました。
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◇「私も古代のように生きたい」
そして、
小学生だった私は、
素直に思いました。
👉「私も、古代のように生きたい」
と。
今振り返れば、
小学生です。
人生のことなど、
何も分かっていません。
でも、
子どもだからこそ、
真正面から受け止めたのでしょう。
困難なことがあっても、
必要な時には立ち向かえる人になりたい。
不可能だと言われても、
簡単に諦めない人間になりたい。
そんな「志」のようなものが、
あの映画を見た日、
私の中に生まれたのだと思います。
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◇そして流れる「ヤマトより愛をこめて」
そして、
あのラストの後に流れるのが、
👉「ヤマトより愛をこめて」
です。
歌うのは、
あの沢田研二さん。
作詞は阿久悠さん。
作曲は大野克夫さん。
編曲は、ヤマトの音楽を支えた宮川泰さんです。
映画が終わった後の、
何とも言えない喪失感。
映画館のあちらこちらから聞こえる、
すすり泣く声。
そこへ、
沢田研二さんの歌声が流れてくる。
これは、
小学生には強烈すぎるインパクトでした…
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◇音楽は、その時の「志」まで連れてくる
それから、
50年近い歳月が経ちました。
小学生だった私は、
すっかり歳をとりました。
その間、
いろいろなことがありました。
楽しいこともありましたし、
理不尽なこともありました。
「なぜ、戦わなければならないのだろう」
と思うことだってありました。
でも、今でも、
「ヤマトより愛をこめて」を聴くと、
一瞬にして、
あの映画館に戻るのです。
小学生の時に見た、
一本のアニメーション映画です。
そこで聞いた言葉と音楽。
それが、
何十年たっても、
自分の生き方のどこかに残っている。
ラストに出てきたテロップ…
《ヤマトは》
きっと 永遠に生きているでしょう
あなたの 胸に
心に
魂の中に
まさに、その通りでした。
私にとって、この曲は、
ただの懐かしいアニメソングではありません。
自分がどう生きたいと思ったのか、
その原点を思い出させてくれる曲なのです。
ぜひ、お聴きください。
