◇社会福祉法人の理事の責任をご存じでしょうか

社会福祉法人の理事を依頼されると、

・「地域のために」
・「福祉のために」
・「知人に頼まれて」

という理由で、
引き受ける方が少なくありません。

もちろん、
そのお気持ちは大変尊いものだと思います。

しかし、

私は理事に就任する際には、
ぜひ知っておいていただきたいことがあります。

それは、

👉 社会福祉法人の理事には重い法的責任がある

ということです。



◇社会福祉法第45条の21の責任

社会福祉法第45条の21には、
理事、監事、評議員等が、
その職務を行うについて、

👉 故意

又は

👉 重大な過失

によって第三者に損害を与えた場合、
その損害を賠償する責任を負う

と規定されています。

つまり、
利用者やその家族、取引先、
職員など、
社会福祉法人以外の第三者に損害を与えた場合、

👉 理事"個人"

 

が、その損害賠償責任を負う可能性が

あるということです。



◇「知らなかった」では済まない

例えば、
利用者への虐待が発生していた。
あるいは、
重大な法令違反が行われていた。

そのことを知っていたにもかかわらず、
何もしなかった。
 

あるいは、
少し注意を払えば防げたのに、
放置していた。

そのような場合には、

👉「重大な過失」

 

があるとされる可能性があります。

・理事に「名前だけ」貸していた。
・全て施設長に任せていた。
・理事長がやっていると思っていた。

そうした説明が、
必ずしも通用するとは限りません。



◇理事会の役割とは何か

理事会の役割は、
単に報告を受けて承認することではありません。

理事長や業務執行理事の業務執行を、

👉 管理・監督すること

です。

そのため、
理事会では、時に「耳の痛いこと」も

言わなければなりません。

・疑問があれば質問する
・必要であれば資料を求める
・監事と協力して調査する

そうした行動が求められます。



◇連帯責任という考え方

さらに、
社会福祉法第45条の22では、
同じ損害について複数の役員等が責任を負う場合、

👉 連帯債務

 

となることが定められています。

つまり、

問題を起こした理事一人の問題ではなく、
理事会全体の責任となる可能性が

あるということです。

 

そうなると、

理事”個人”が賠償金を払う危険性が

あるのです。


だからこそ、
理事会は馴れ合いであってはなりません。

理事一人ひとりが、
その責任を自覚しなければならないのです。



◇理事は名誉職ではない

私は、
社会福祉法人の理事は、
名誉職ではありません。

理事とは、
法人運営を預かる責任者です。
 

・利用者の人生
・職員の生活
・地域社会からの信頼

その全てに関わる重要な役割です。

平成28年の社会福祉法改正以降、
社会福祉法人のガバナンス強化が

求められるようになりました。

それは、

理事の責任を明確にすることで、
利用者を守り、
社会福祉法人への信頼を高めるためです。



◇理事の責任を理解した上で就任を

私は、
理事への就任にネガティブな訳ではありません。

むしろ、

良識ある方には積極的に、

理事になっていただきたいと思っています。

しかし、

その際には、是非

 

👉 理事の法的責任

 

を理解した上で

就任していただきたいのです。


今なお、
社会福祉法人における

不正や不祥事は後を絶ちません。
毎日のように報道されています。


だからこそ、
理事がその責任を果たすことが重要です。

理事会が機能してこそ、
社会福祉法人は健全に運営されます。

そして、それこそが、
利用者を守ることに

つながるのだと思います。

 

全国の理事の皆様。

是非、よろしくお願いします。