私は、


👉「葬送のフリーレン」
 

というアニメの世界観が大好きです。

https://frieren-anime.jp/

 

 

この作品は、
かつて勇者一行として冒険をしたエルフの魔法使いフリーレンが、
勇者ヒンメルたちとの旅を思い出しながら、
新たな旅を続けていく物語です。

フリーレンはエルフ(精霊)です。

寿命がとてつもなく長い。
そのため、

かつて一緒に冒険した勇者ヒンメルたちは、
普通の人間として歳を重ね、
やがて亡くなっていきます。

しかし、
フリーレンの中には、
彼らと過ごした時間が残っています。

長い時間を生きるフリーレンが、
過去の旅の意味を、
少しずつ理解していく。

そこが、
この作品のとても深いところだと思います。



◇役に立たない魔導書を報酬にもらう

旅の途中、
フリーレンは魔族討伐などの依頼を

受けることがあります。

そのとき、
フリーレンは必ず報酬を求めます。

ただし、
その報酬は、
金銀財宝というよりも、
何の役にも立たないような魔導書だったりします。

それでもフリーレンは、
必ず報酬を求めます。

同行している弟子から、
なぜいつも報酬を受け取るのか、
と問われる場面があります。

そこでフリーレンは、
かつて勇者ヒンメルが語った言葉を思い出します。



◇勇者ヒンメルの報酬の哲学

かつてフリーレンは、
ヒンメルに問いかけました。

「なぜ、人助けをするとき、
毎回のように報酬を受け取るのか。」

そこでヒンメルは、
とても大切なことを語ります。

報酬を受け取っておけば、
貸し借りがなくなる。
自分たちは勇者一行であり、
求めているのは、
 

👉「誰かを助けること」

 

であって


👉「感謝の言葉じゃない」

という趣旨の言葉です。

私は、
この場面が本当に秀逸だと思います。

一方的に助けてしまえば、
相手に貸しを作ってしまう。
相手は、
どこかで負い目を感じてしまうかもしれない。

・「助けてもらった」
・「恩を受けた」
・「返さなければならない」

そのような感覚が残ってしまう。

それでは、

👉 本当の意味で助けたことにはならない。

だから、
 

👉 報酬を受け取る

報酬を受け取ることで、
貸し借りをなくす。
相手を対等な関係に戻す。
 

ここに、ヒンメルの優しさと、
人間理解の深さがあるのだと思います。



◇報酬とは何か

私はこの場面を見て、
とても考えさせられました。

報酬をいただくとは、
単にお金を頂くことではありません。

もちろん、
生活のため、
事業継続のため、
専門性を維持するために、
報酬は必要です。

しかし、
それだけではない。
 

報酬をいただくことには、
もっと深い意味があるのだと思います。

それは、
相手との関係を対等にすることです。

一方的な善意ではなく、
一方的な施しでもなく、
専門家として仕事を行い、
その対価として報酬をいただく。

そこには、
健全な人間関係があります。



◇感謝を求めないための報酬

仕事をしていると、
 

つい、

 

・感謝されたい、
・分かってもらいたい、
・認めてもらいたい、

と思ってしまうことがあります。

人間ですから、
それは自然な感情です。

しかし、
プロフェッショナルとして本当に大切なのは、
感謝を求めることではないのだと思います。

大切なのは、
 

・相手を助けること

・相手の役に立つこと
・相手の課題を解決すること
・相手の未来を少しでも良くすること。

その仕事に対して、

👉 正当な報酬をいただく

それによって、

感謝という曖昧なものに

依存しない関係が生まれます。

報酬をいただくからこそ、
こちらも責任を持つ。

報酬を支払うからこそ、
相手も遠慮なく求めることができる。

これが、
健全な専門家と依頼者の

関係なのだと思います。



◇税理士業務も同じ

これは、
税理士業務にも通じる話だと思います。

税理士は、
お客様の税務申告を支援します。
会計帳簿を確認し、
月次巡回監査を行い、
経営助言を行い、
時には耳の痛いこともお伝えします。

その仕事は、
お客様を助ける仕事です。

しかし、

だからといって、
感謝を求める仕事ではありません。

報酬をいただくからこそ、
専門家として責任を持つ。

報酬をいただくからこそ、
曖昧な善意ではなく、
職業専門家としての義務を果たす。
 

そして、
お客様も、

・「申し訳ない」
・「助けてもらっている」

という負い目ではなく、

正当な対価を支払っている依頼者として、
堂々と相談することができます。

この関係こそ、
本当の意味で健全なのだと思います。



◇報酬は相手を自由にする

もちろん、人として
助け合いは大切です。

しかし、
専門的な仕事においては、
報酬をいただくことが、
かえって相手を自由にすることがあります。

報酬を支払った以上、
 

遠慮なく聞ける。
遠慮なく依頼できる。
遠慮なく意見を言える。

そしてこちらも、

責任を持って応える。

つまり、

報酬は、
相手を縛るものではなく、
相手を自由にするものでもあるのです。

ヒンメルが報酬を受け取った理由は、
まさにここにあるのだと思います。


 

◇「葬送のフリーレン」に教わったこと

この物語の殆どは、旅の日常の姿です。
 

激しい戦闘シーンよりも、
過ぎ去った時間の意味や、
人の言葉の重みを、
ゆっくりと描いていく作品です。

その中で語られる、
報酬を受け取る理由。

私はこの場面に、
職業人(勇者)としての深い哲学を感じました。


この考え方は、
あらゆる職業に通じるものだと思います。

私たちは、
報酬をいただくからこそ、
責任を持つことができます。
報酬をいただくからこそ、
感謝ではなく、
仕事の成果で応えようとすることができます。

ですから、私たち、

 

👉 全ての職業人は「勇者」なのだと思います。


「報酬をもらうことは、本当の意味で助けたことになる」

私は、この場面から、
とても大切なことを教えてもらった気がします。