先日、ある社長さんとお話をしていた時のことです。

その社長さんが、

👉「税金を支払わないと会社って大きくならないんですよね」

と仰いました。

その通りなのです。

しかし、

この理屈を経営者の皆様に

ご理解いただくのは意外と難しいのです。




◇利益の一部は会社に残る

日本の法人税制では、
税引前利益に対して

法人税、住民税、事業税などが課税されます。

税率は会社の規模や所得金額によって異なりますが、
一般的な中小企業であれば、

👉概ね25%前後

 

と考えておけば大きくは外れません。

仮に税引前利益が100万円あったとします。
税金が25万円。
すると75万円は会社に残ります。

この75万円が、
会社の純資産を増やしていく

原資になります。



◇純資産は会社の体力

貸借対照表の右下には、

👉「純資産の部」

があります。

この構成要素である「利益剰余金」は、

創業以来積み上げてきた

税引後利益の累積額です。

毎年利益が出れば、
税金を支払った後の利益が

コツコツと積み上がっていきます。

その結果、

純資産が増えていきます。
そして、

自己資本比率が向上します。

結果、
金融機関からの信用も高まります。
景気変動にも強くなります。

つまり、
会社の体力がついていくのです。



◇税金を払うのが嫌になる心理

ところが、
中小企業の経営者の多くは、

税金を支払う場面になると、

・「もったいない」
・「損をした」

と感じてしまいます。

その結果、
年度末になると、
税金を減らしたいがために、

 

・必要のない飲食費を使う。
・まだ乗れる車を買い替える。
・本来必要のない支出を増やす。

いわゆる

「節税」

を行うことがあります。

確かに税金は減ります。

しかし、
会社に残る利益も減ります。

結果として、
純資産は増えません。

会社はいつまで経っても

強くならない結果となります。



◇私が「節税のパラドックス」と呼ぶもの

私は、
税金を払うことを過度に嫌うことで、
結果として会社が成長しなくなる現象を、

👉「節税のパラドックス」

パラドックス=矛盾
 

と呼んでいます。

・税金を払いたくない。
・だから利益を減らす。
・利益を減らすから純資産が増えない。
・純資産が増えないから会社が強くならない。

本来目指したかったはずの
「安定した経営」
から、意図せず、

遠ざかってしまうのです。



◇本当に行うべき節税とは

もちろん、私は

「税金をたくさん払いましょう」

と言いたいわけではありません。

将来の成長につながる節税は、
積極的に行うべきです。
例えば、
 

・人材採用
・社員教育

・設備投資
・適切な昇給や賞与
・DX投資
・経営計画に基づく先行投資

こうした支出は、

会社の未来を創るための投資です。
当事務所も

全力で支援している節税対策です。



◇共通目標は会社を強くすること

税理士の仕事は、
税金を減らすことだけではありません。

👉会社を強くすることです。

・利益を出す
・純資産を増やす
・自己資本比率を高める

そして、

・不況や環境変化にも負けない会社を作る。

私は関与先の皆様と、
この部分を共通目標にしたいと思っています。

税金は会社が利益を出した結果として

発生するものです。

利益を出し、税金を納め、
会社に利益を残していく。

その積み重ねこそが、
会社を大きくし、強くしていく

経営の王道なのだと思います。