◇支援方法を統一するということ

強度行動障害の状態にある

30歳の長男の支援について

私たち家族と

支援するヘルパー事業所は

基本方針を統一しています。

それは、

👉「環境を安全なものにし、本人に安心してもらう」

というものです。

そこに至るまでには、
長い時間と多くの試行錯誤がありました。



◇長男は「分かっている」

長男は、
行動障害による他害は、

してはいけないことを、
十分理解しています。

むしろ、

👉 本人が一番よく分かっています。

だからこそ、

パニック後に、

「何でそんなことをしたの?」

「やってはいけないでしょう」と

「注意」したり、
「指摘」したりして、

「指導」することは

 

👉的外れの支援であることは明らかです。
 

したがって、

支援に当たってはご法度としています。


必要なのは、

👉「安心だから大丈夫だよ」

というメッセージであって、

👉「反省しなさい」

ではないのです。



◇PTSDという視点

長男は、
通所していた生活介護で酷い虐待を受け、
PTSD(心的外傷後ストレス症)

と診断されています。

私はよく、現在の長男の状態を

👉「部屋にガスが充満している状態」

に例えます。

PTSDの状態にある長男は、
常にストレスホルモンである

”コルチゾール”が高い状態にあり、

ちょっとした刺激で、
フラッシュバックを起こし、
パニックに至ります。

問題なのは、
その刺激そのものではなく

既に部屋の中に

ガスが充満していることなのです。

だから、
まずは”換気”が必要。

安心安全な環境を整えることで
少しずつガスを抜いていくことが必要なのです。



◇完成しかけている「支援の統一」

そのため、
私たち家族は長年かけて、
長男にかかわる

複数のヘルパー事業所に対し

「支援方法の統一」をお願いしてきました。

現在の
強度行動障害支援の世界では、

👉「支援方法の統一」

は、今や基本中の基本です。

複数事業所が関わる場合であっても

事業所や法人横断的に

支援方法を統一することが必要です。

障害者にとって

事業所や法人が違うなどと言うことは

関係がありません。


支援者によって対応が違えば、
本人は混乱します。

・ある人は注意する。
・ある人は叱る。
・ある人は受容する。

それでは、
安心できるはずがありません。


長男の場合、

👉「注意しない」
👉「安心を伝える」

という支援方法で、
ようやく各事業所の足並みが

揃ってきました。



◇支援員の変更のリスク

ところが、

長男の生活の中で、
一か所だけ担当者が変わった

事業所がありました。

その担当者が
パニック時に、

行動障害について、

👉「注意・指摘」

をしてしまったのです。

もちろん、
悪気は無いのだと思います。

むしろ、

「厳しく躾けることが本人のため」

と思って

一生懸命、愛情を持って

やってくださっているのだと思います。


しかし、

ここで問題なのは、

👉「支援員個人の善意」

ではありません。

👉「支援の妥当性」

👉「いかにパニックの誘発を防ぐか」

なのです。



◇直感の支援から、エビデンスの支援へ

昔の障害福祉は、

・経験
・勘
・根性
・善意

そういったものに支えられていました。

しかし、
今は違います。

・応用行動分析
・構造化支援
・機能的アセスメント

そして、

👉「支援方法の統一」

というエビデンスがあります。

それにもかかわらず、
「私は長年やってきたから」
「これだけ頑張っているから」
という話になってしまうのは、
少し時代が違うように感じます。



◇また一から伝えていく

残念ながら、地域には、
強度行動障害の専門家は、
一人もいません。

長年、長男の支援を行ってきて、

私は、未だ一人も会ったことがありません。


だからこそ、やむを得ず、
 

家族が自ら学び、
家族が伝え、
家族が支援の統一をお願いする。

そんな状況が続いています。

正直、家族が
また一から説明するのか・・・
と思わないわけではありません。

しかし、

長男が安心して暮らすためには、
必要なことです。

焦らず、怒らず、諦めず
また丁寧に説明し、
支援の正常化を図っていこうと思います。
それが、

長男の

安心安全な生活に繋がると信じています。