■ 私たちが思い浮かべる「自立」

「自立」と聞いて、
皆さまはどのような姿を思い浮かべるでしょうか。

おそらく多くの方は、

・何でも自分でできること
・人に頼らないこと
・迷惑をかけないこと

このようなイメージを持たれるのではないかと思います。

そしてそのために、

👉 訓練し
👉 教育し
👉 できることを増やしていく

それが「自立」だと考えていませんか?



■ その定義は、本当に正しいのか

しかし、この考え方は、

現在の障害者の制度の前提となっている

「自立」の概念とは異なります

ここが、とても重要なポイントです。



アメリカの障害者運動の中心人物である、
エド・ロバーツ。

彼は重度の障害を持ち、

・着替えも
・移動も
・日常生活の多くを

他者の支援なしでは行うことができませんでした。

それでも彼は、

👉 「自分は自立している」

と明確に語りました。

彼の印象的な言葉があります。

 

「人の助けを借りて15分で衣服を着て外出できる人は、 

2時間かけてひとりで着替えて家にこもる人よりも“自立している”。」

 

※エド・ロバーツに関しては、このCOTENラジオが詳しいので是非お聴きください。



■ 自立とは「自分で何でもできること」ではない

では、なぜ彼はそう言えたのでしょうか。
ここに、「自立」の本質があります。


彼の定義はこうです。


👉 自立とは、自分の人生を自分で決めることである


彼は、

多くの場面で他人の力を借りていました。

しかしそれは、

👉 「依存している」のではなく
👉 「自分で選んでいる」

のです。


つまり、

・誰に支援してもらうのか
・どのような生活をするのか
・何を選択するのか

これらをすべて、

👉 自分で決めている

だからこそ、

👉 自立している

のです。



■ 「自立」と「依存」は対立しない

ここで、私たちの固定観念が崩れます。

一般的には、

👉 自立=良い
👉 依存=悪

と考えがちです。


しかし、エド・ロバーツは言います。

👉 人は誰でも依存している


食事も、
インフラも、
社会も、

私たちは誰でも、
すべて他者の支えの上に成り立っています。

問題は、

👉 依存しているかどうかではない

👉 それを自分で選んでいるかどうか

なのです。



■ 「できるようにすること」が目的ではない

この考え方に立つと、

「支援」の意味も変わってきます。

これまでの考え方では、

👉 できるようにさせること
👉 できないことを減らすこと

が重視されてきました。

特別支援学校でも

そのような「支援」が良く見られました。

しかし、本来は、

👉 本人が選択できる状態を作ること

これが支援の

本質的な視点になる必要があります。

 

 



■ 私たちの生き方にも通じる

この話は、

決して障害者だけの問題ではありません。

私たちもまた、

・仕事
・人間関係
・意思決定

すべてにおいて、

👉 誰かに依存しています。

それでも、

👉 自分で選んでいるのか
👉 流されているのか

ここに、大きな違いがあります。



■ 本当の「自立」とは

ここまでを整理すると、

自立とは、

👉 何でもできることではない
👉 誰にも頼らないことでもない

すなわち、
自分の人生を、自分で選び続けること
これが、

本当の意味での「自立」なのだと思います。

その意味で言えば


私の強度行動障害の状態にある長男は

ヘルパーの支援の元での一人暮らしを望み

土日の外出先は自分で選び

人生を謳歌しようとしています。

 

すなわち

長男は立派に「自立」に向けて

確実に歩みを進めているのです。



■ 最後に

ぜひ一度、

ご自身の「自立」のイメージを、
見直してみてください。

👉 「自分は、何を選んでいるのか」

その問いが、
生き方そのものを変えるきっかけになるかもしれません。