ある朝、妻と、
強度行動障害の状態にある長男の支援について、
作戦会議をしていました。


そこで出た話題に、
思わず二人で膝を打ちました電球



◇なぜ突然、パニックが起きるのか

現在通所している生活介護事業所で、
長男には、どうしても苦手な利用者さんがいます。


仮にA君とします。


「最初は仲が良かったのに、
なぜ突然パニックを起こすようになったのか」


支援員も、私たちも、

全くわからず、
ずっと不思議に思っていました。



◇虐待施設における過去の記録

妻はちょうど、
以前通っていた生活介護事業所の記録を読んでいました。
 

その事業所は、

長男に対する虐待があった施設です。


再三再四、

長男の支援記録の開示を要請し続け、


辞めてから4年以上経って
ようやく出てきた代物です。


正直に言えば、

記録とも言えないような内容で
後から作った感の強いもの

でした。


それでも、
断片的に状況が分かる記述がありました。



◇ひとつの記述

そこにはこう書かれていました。


「別の利用者が、長男の”本”を貸してと言い、持っていった。
その後、長男は激しいパニックを起こし、部屋中を叩きまくった」





◇記憶がつながる

その記述を見て、妻が思い出しました。


現在通所している事業所の

利用者であるA君が
悪気なく

長男の大好きな「こぐまちゃん」の本をとりあげ
びりびりに破いてしまったこと


があったと。

 

※「こぐまちゃん」はこれです。

 



◇すべてがつながった瞬間

その瞬間、

私たちは理解しました。


👉 A君が本を破った出来事を起点にして
👉 過去の虐待施設での記憶と結びつき
👉 虐待体験のフラッシュバックが怒涛のように起き
👉 恐怖反応としてパニックが発生
👉結果、A君が行動障害のトリガーになった。


やっと、

👉 アセスメントがつながった

のです。

これこそASDの方の記憶の特徴

「タイムスリップ現象(フラッシュバック)」

の出現です。



それはまるで

宇宙空間で何光年も離れた場所が繋がる

 

「ワームホール」

 

を発見したようです。



◇ASDの特性

強度行動障害の状態になりやすい
ASDスペクトラム症の方は、

非常にささいなきっかけでも、
強い嫌悪記憶と結びつく

ことがあります。


それは、

外からは見えません。



◇支援者の役割

だからこそ思います。
支援者は

👉 よき「指導者」ではなく
👉 よき「観察者」であるべき


なのだと。


行動を抑えるのではなく、
 

👉 その行動の背景にある意味を探る

今回のことで言えば、

虐待があった施設があるのであれば、

その支援記録を細かく読み解き、

 

今の行動と結びついているものがあるか。

細心のアセスメントが必要なのです。

 

これこそ「プロ」の仕事なのではないでしょうか。



◇アセスメントがすべて

強度行動障害の状態の緩和は、

👉 アセスメントにすべてのヒントがある

と言っても過言ではありません。


• 何が引き金なのか
• どの記憶と結びついているのか
• どんな不安があるのか

これを丁寧に見ていくこと。



これから

来月、支援会議があります。
今回のこの大切な気づきを、

 関係者全員で共有したい
と思っています。


長男の目に見えない苦しさを、
少しでも理解したい。

平穏な生活のために
私たちは、これからも
観察し、考え続けていきます。