「強度行動障害の状態」をどうすれば緩和できるのか。

これは現場で常に問われるテーマです。


しかし、

私は、最も大切なことは、
意外とシンプルだと思っています。

高度な専門知識を学ぶ前に、

この手法を確立すれば、

緩和するはずです。



①まず、概念の理解


まず最初に、


👉 強度行動障害は「診断名」ではなく
👉 「状態」であること。



この概念の理解がすべての出発点になります。


そして、


👉 本人は「困った人」ではなく「困っている人」


であるという視点の理解です。


これらの概念が腹に落ちると、
支援者側の認識が

大きく変わります。



②「行動」ではなく「関係性」を見る


概念を理解していない場合、
私たちは「行動」だけに注目してしまいます。


しかし強度行動障害の本質は、

👉 本人と環境・支援者との関係性

です。

すなわち、
 

強度行動障害の状態とは、
その関係性の中で反射し合っている状態


であるとも言えます。


概念を理解すると、

このように認識が変わってきます。



③ASDの特性を理解する

そのうえで、

次のような自閉スペクトラム症の特性を

理解することが不可欠です。
 

• 先の予測が難しい
• 見えないものの理解が難しい
• 話し言葉の理解が難しい
• 抽象的な表現が難しい
• 自分の気持ちを言葉で伝えにくい
• 情報量が多いと処理できない
• 少しの違いで強い不安を感じる
• 聴覚の過敏・鈍麻がある

ASDには、主に以上のような特性があります。

 

この特性故に、本人には、

不安と緊張が生じることとなります。




④環境を調整する

これらの特性を踏まえた上で、
本人の不安と緊張をできる限り取り除くために、

👉 環境を調整すること

が重要です。

パーテーション等の物理的な環境も大切です。

 


しかし、環境調整の主役は、

支援員の言動にあります。


• 本人が心地いいと感じる関わり方は何か
• どの声かけが落ち着くのか
• 安心する行動の制止の仕方は何か


本人のアセスメントを繰り返し、

PDCAサイクルを回し、

これを丁寧に見ていく。

アセスメントの手法は

専門性が必要になる場合もあります。



⑤本人の「嫌だ」を伝える方法の確立


もう一つ重要なのは、

👉 本人に「意思表示の手段」を教えること

です。


本人は、
不安や緊張を感じたとき、
「嫌だ」と伝えたい

しかし、
その方法が分からない。
 

その結果、
 「行動」で表現してしまうのです。

ですから、



「行動」を起こさなくても

「嫌だ」が周りに伝わっているよ!

 

 

このことを分かってもらう必要があります。

だからこそ、
 

• 絵カード
• ジェスチャー
• その他のコミュニケーション手段

などの「 伝える手段」を用意すること
が必要です。
このあたりが

専門性の発揮のしどころだと思います。



⑥絶対にしてはいけないこと

それは

👉 「本人を直そう」としないこと


強度行動障害は「病気」ではありません。

(ですから、薬は「補助的」なものです)


• 強い叱責
• 抑え込み
• いわゆる「躾」

これらは、
「行動」を緩和させることは無く
逆に「強度行動障害の状態」を悪化させる結果となります。


「厳しく育てる」という

古くから日本人が持つパラダイム(美学)を

大きく転換することも必要になるかもしれません。

その意味から、
私は、あえて言うのであれば、
躾けられるべきは、支援員側であると思います。

支援員は指導者ではなく、

優れた観察者であるべきです。

 



⑦最後に

強度行動障害の状態は、
👉 理解と環境で変わります。


この積み重ねが、

本人の生活を変え、
周囲の世界を変えていきます。