先日、
強度行動障害の状態にある長男と一緒に、
箱根へ一泊旅行に行ってきました。

今回は、
• 末っ子の20歳の記念
• 母に美味しいものを食べてもらいたい

そんな思いから、
4人”パーティ”での旅行です。

私たち家族にとっては、
真剣勝負の

「冒険の旅」です。



◇「通行人を叩く」という他害行為と向き合いながら

強度行動障害の状態にある長男は、
過去に、ある社会福祉法人によって
長期間にわたる虐待を受けてきました。

その影響で、
油断すると、他害行為が出て、
通行人を叩いてしまうことがあります。

これは、
想像以上に本当に大変なことです。

叩かれた人は、

かなりの確率で警官を呼ばれますし、
事情を説明すれば
多くの方は理解してくださるものの、
「大きな事件」だけは絶対に起こせません。

何より、
事件が起きてしまうこと自体が、
長男にとって
新たな、

そして深いトラウマになってしまうからです。



◇だからこそ、事前準備がすべて

今回の旅行で、
最も大切にしたのは、
超綿密な、事前準備でした。

まず、宿泊先は、
私のことをよく理解してくださっているホテル。

まず、事前に連絡を取り、
障害者用駐車場の確保をお願いしました。

この駐車場は、
周囲に他の車がない、単独のガレージ。

油断すると
他人の車を蹴ってしまうことがある長男にとって、
安心・安全な環境です。

また、予約した部屋は、

周りに部屋が無く、廊下で人とも会いません。



◇食事はすべて「個室」で

夕食も、朝食も、
すべて個室にしていただきました。


• 他人の姿が見えない
• 他人の会話が聞こえない

これだけで、
長男のストレスは、ほぼゼロになります。

夕食は、
目の前でシェフが
一つひとつ食材を焼いてくださる
炭火焼き懐石です。

本当に美味しい時間でした。

長男は、
カニやアワビなどの魚介が食べられないため、
肉のアラカルト中心の特別コースを
用意していただきました。

支配人に話をしたこのリクエストが、

レストランに伝わっていないトラブルがありましたが、

事前準備をしていたので、

その場での対処ができました。

こうした細やかな配慮が、
安心につながります。



◇朝食ビュッフェでの「役割分担」

朝食はビュッフェ形式ですが、
会場から少し離れた個室。

そして、
最初の1ターンは、
私はビュッフェを取らず、
長男の見守り役に徹します。

もしこの場面で
他人を叩いてしまったら、
旅行そのものが、

トラウマ化して終わってしまいます。

長男の、利き手側にスタンバイし、
静かに、距離を保ちながら見守ります。

 

ビュッフェで、人が近づいてきたら、

自然に、息子との間に体を入れます。

 

このようにして、

ゆっくりと、安全に、朝食を取ることができました。

 



◇「安心安全」を、長男が確信した瞬間

このような綿密な準備により、

今回の旅行では、

長男は、
「ここは、本当に安全な場所だ」
と、心の底から確信したようでした。

常に、副交感神経優位モード。
ストレスホルモン、

「コルチゾール」が出ていないと思われる、
とても穏やかな状態。

「コルチゾール」が出ていない場合には、

ちょっとしたことがあっても、

「アドレナリン」が発火しない。

結果として、
行動障害は一切ゼロ。

これは、
私たち家族にとっても、

長男にとっても、
大きな成功体験となりました。



◇最後は、いつもの場所へ

旅の最後は、
車で一人暮らしをしているマンションへ。

マンション前で、

待っていてくれたヘルパーさんに引き継ぎ、
私も、部屋まで同行して、
無事ゴール。



◇行動障害ゼロの、素晴らしい冒険の旅

今回の箱根旅行は、


• 行動障害ゼロ
• トラブルゼロ
• 不安より、喜びが残る

本当に素晴らしい「冒険の旅」でした。

環境を整え、
安心を積み重ねれば、
できることは、確実に増えていく。

 

その積み重ねしか、長男のトラウマケアはあり得ません。

「また、行こうね。」

そう、心から思えた旅でした。