――「ゼロベース加点主義」という考え方🌱

人材育成で、
何が一番大切なのか。

いろいろ試行錯誤してきましたが、
今の私は、
「ゼロベース加点主義」
が、とても大切だと感じています。



ゼロベース加点主義とは、
すべての人を「ゼロ」から見て、加点で評価する
という考え方です。

できていないことを探して減点するのではなく、
できたことを一つひとつ積み上げていく。

言葉にすると簡単ですが、
実践するには、
私たち自身の「ものの見方」を変える必要があります。



私たちは「減点主義」に慣れすぎています。

現代の私たちの多くは、
現代の学校教育の中で、
知らず知らずのうちに
「減点主義」に慣れ親しんできました。

どこかに「100点の基準」があって、
そこに届かなければ、
80点、60点…と評価される。

私自身も、
その価値観の中で育ってきました。

その結果、
人材育成の場面でも、
「なぜできないのか」
「まだ足りない」
という見方をしてしまい、
多くの失敗をしてきたと思っています。



ゼロから積み上げる、という視点、

これは、価値観をグルっと変えた視点です。

ゼロベース加点主義では、
評価のスタート地点は「ゼロ」です。

例えば、
• 新入社員が、定時に出社できた → 加点
• 簡単なお使いを頼んで、きちんとできた → 加点
• 1年間、辞めずに頑張った → それだけで大きな加点

最初は、
「そんなことで評価していいのだろうか」
と思うかもしれません。

でも、
この積み重ねが、
人を大きく成長させていくのだと、
私は何度も実感してきました。



この考え方の背景には、
私が尊敬する、新渡戸稲造先生の思想もあります。
(旧5,000円札の方です)

新渡戸先生は、

著書である、「逆境を超えていく者たちへ」の中で、
「成熟した人格」について、次のような趣旨を述べています。

人は、常に期待どおりに動いてくれる存在ではない。
思い通りにならないことの方が、むしろ多い。

その現実を受け入れたうえで、
それでも他人のせいにせず、
「自分の責任」として生きていく人間こそが、

成熟した人間である。

私は、この考え方に、
とても深くうなずかされました。



人材育成も、同じだと思うのです

部下や職員が、
自分の期待どおりに動かないとき、
つい、
「どうしてできないんだろう」
と感じてしまいます。

でも、
最初から高い完成度を求めるのではなく、
「人は、少しずつ成長していく存在だ」
と受け止める。

そして、
できたことを認め、加点していく。

それは、
相手を甘やかすことではなく、
人の成長を信じて待つ姿勢なのだと思います。



私は、加点の視点を、

障害のある我が子から教わりました。

私の子どもは、
知的障害のある自閉症スペクトラム症という障害を持っています。

彼にとっては、
• 一人で落ち着いて過ごせる
→ それだけで大きな加点
• 何事もなくバスに乗り、目的地に着けた
→ それだけで100点満点

という世界です。

「できて当たり前」という基準は、
最初からありません。


だからこそ、
一つひとつの「できた」が、
本当に尊いのです。



もし、
人材育成で悩んでいる経営者の方がいらっしゃいましたら、
ぜひ一度、

「ゼロベース加点主義」

という考え方を、
試してみてはどうでしょうか。

評価の基準(視点)を少し変えるだけで、
人も、組織も、
驚くほど変わることがあります。
 

加点主義は、甘やかすことではありません。

むしろ、相手の小さな変化を見逃さない、

 

リーダー側の『観察力』と『根気』が試される、

真にクリエイティブな挑戦

 

なのではないでしょうか。