納豆帝国の飛び地 熊本 | かながわパブリック法律事務所のブログ

納豆帝国の飛び地 熊本

 北條@熊本です。
 最近「ねばーるくん」なる茨城県非公認の納豆ゆるキャラなども出てきて、納豆が注目されています。

 「ねばーるくん」ばかり注目されていますが、茨城県水戸市のゆるきゃら「みとちゃん」も顔の部分が納豆の藁苞(わらづと わらで包んだ納豆)になっていて、しっかり水戸納豆をアピールしています。


みとちゃん

 私は父が水戸市出身ということで、幼い頃からご飯に納豆はほぼセットの組み合わせになっていて毎日食していました。

 藁苞にくるまれた「天狗納豆」や「おかめ納豆」は私のソウルフードともいえます。
 この納豆、昨今は全国で食べられていますが、一昔前は関東以西ではあまり食されていなかったようです。

 先日JALの機内誌に浅田次郎さんの納豆に関するエッセイが載っていました。

 曰く、浅田さんは納豆が大好物なのですが、学生時代、九州から来た友人に納豆を食べるように勧めたところ、後日友人は「君の勧めた店で納豆を食べてみたが腐っていた。あそこは酷い食堂だ」などと言われたそうです。

 今ではそんなこともないでしょうが、ごくたまに関東以西の方で「あんな腐ったものは食べられない」云々と真顔で言われる方がいて、内心殺意を覚えたりします。


 しかし、私が今いるこの熊本では、西日本では例外的に古くから納豆を食べる文化が根付いています。何と麗しい食文化でしょうか。


 一説では加藤清正が朝鮮に出兵した際、食料として運んでいた豆が発酵して納豆になり、清正が恐る恐る食べてみて、思いの外おいしくて、おいし過ぎて「なんとうみゃー豆だぎゃー」(※清正は名古屋人)と絶叫したことから、「なんと」→「納豆」と命名されたとか、されないとか…、すいません後半は私の作り話ですが、前半も伝説なので真偽は分かりません。


 熊本には「お城納豆」の丸美屋と「マルキン納豆」のマルキン食品が二大納豆メーカーとして君臨しています。九州で納豆といえばこのどちらかです。どちらもおいしく、私は毎日お世話になっています。


 しかし、私が問題視するのは、その食べ方。関東流の食べ方は、辛口の関東醤油と練りカラシ(関東ではたいてい納豆パックに付属している)、刻みネギを混ぜて、思いっきりかき回して、十分に糸を引かせてから食するというものです。

 しかしこちらでは、甘いタレが付属しており、かつカラシはありません。納豆には辛口の醤油とカラシが合うと思います。

 前述の浅田さんもエッセイで「付属の甘いタレは即座に廃棄して自前の醤油をかける」と書かれており、大いに共感を覚えたものでした。


 しかし、郷に入っては郷に従え、今では私も納豆に甘いタレを掛けて食べています。

 これはこれでまろやかな味で美味しいと思えるようになってきました。
 それでも「糸を引く」というところは譲れないところです。

 昨今、外国人のために糸を引かない納豆を開発しているという報道をみたことがありますが、これには大いに異を唱えたいところです。
 
 ともあれ、皆さんも熊本にお越しになったら、他の名産物とともに、是非納豆を食べてみてください。


ねばーるくん