「陰陽の法則」
学生時代の頃、よくバイト仲間達と朝までホームパーティーをして遊んでいた。それも、ご近所さんの存在も時間も忘れる盛り上がり具合で。そんな中でも、ふと幸せすぎるからこそ、何か悪いことが起こるんじゃないかと不安に思う瞬間が時々あった。プラスの感情に振り切っている状況でもなぜかマイナスの感情が顔を覗かせるのだ。
これって逆もしかり。どんなに苦しくてもうダメだと思うほどのどん底にいても、誰かの声や音楽が心にグッと刺さって一瞬、心が明るくなることがある。でも、少し時間が経つとやっぱり変わらない現実の辛さに打ちのめされてしまう。
現実は何も変わっていないのに、不思議と自分の周りをプラスの感情とマイナスの感情を持った妖精たちがゆらゆら飛んでいてその妖精たちによって自分の心も揺られるような感覚がある。
まるで小学校の理科の実験で行った「振り子」のように。ある点から紐で吊るされた球体をどの高さから振り下ろしたとしても、中心線から左右均等に振れる不思議な道具。そんな「振り子」のように、私たちの生きる世界でも「楽しい」「嬉しい」「幸せ」と思えるプラスな感情も「辛い」「苦しい」「悲しい」と思うマイナスな感情も同じように均等に振れているんじゃないかな。
私が思うに、人生は色んな出来事を通して、プラスの感情である「陽」とマイナスな感情の「陰」が大きさを変えながら何度も繰り返し起こっている気がする。実際に私も、日々の生活の中で大小様々な陰陽に揺られている。
周りの人から感謝されたり、褒められたり、思いがけない偶然に出くわして「幸せで本当にツイテル〜」なんて思っていたのに、次の日には仕事でうまくいかずにズドーンと落ち込んだりすることはザラにある。
もしもあなたに少しキツイ経験があったとすると、それに見合った少し嬉しい出来事がどこかのタイミングで起こる。もしもあなたが人生のどん底まで落ちて苦しい経験をしたとすると、きっとその同じ振れ幅分の幸せを味わえる瞬間が必ずある。でも、その感情の振り子が振り切れるタイミングは今すぐじゃないかもしれない。1年後かもしれない。はたまたずっと先なのかも。
きっと中には「人生は不公平であの人と比べて自分はこんなにも苦しい思いをしているのに、幸せなことなんて起こっていない。」と思う人はいるかもしれない。それは自分の中での陰陽の法則であるから、出来事に対しての自らの感じ方によってそれ相応の陰陽が伴ってくる。
つまり、たとえ同じ経験をしているとしても、その経験に対する考え方・感じ方が異なるからこそ、あなたに合った陰陽の出来事と感情の振れ幅が生じるのだと思う。
私の経験上、幸せと感じる時間は一瞬であり、踏ん張ってもがいている時間の方が圧倒的に長い。誰しも皆、陰陽の感情の振れ幅は同じなだけで、その振れ幅を同じにするために必要なそれぞれの時期の長さは異なると考えている。
でも、その苦しい時間がなければ、きっと怖くなるほどの幸せを味わうことはできない。そんな苦しいと思うような環境に身を置いていない人にとっては、きっとその生活は厳しい環境に身を置いてもがいている人よりも楽だろうが、その分、良いことが起こった時の感動は苦しい時間をより深く味わった人よりもそれほどではないはずだ。
だからと言って、みんながみんな厳しい環境に身を置けということではない。
たとえ、あなたにとって苦しいと思える時間があったとしても、それはどこかで幸せと思える瞬間に必ず変わるからこそ、その苦しみの時間を簡単に手放さないでほしい。
反対に、怖くなるほど幸せなことが起こってると思っても、それはこれからもっと悪いことが起こることへの予兆なんだと捉えるのではなく、これまでコツコツと辛いことに耐えてきたご褒美だと思ってとことん楽しみきってほしい。
でも、時には陰の時間が長くて深くてどうしようもなくなる瞬間があるはず。頑張っているつもりでも、お先真っ暗で不安で希望の光を失いそうになることって誰しもあると思う。そんな時は、自分に勇気や元気をくれるものにあえて触れて、励まされていこう。
どんなに完璧でメンタルが強い人に見えても、同じように陰陽の瞬間がやってくる。そして、強そうに見える人ほど、自分が弱くなりそうな時に自分を支えてくれる何かや誰かをしっかりと頼って心を保たせていると思う。
日頃からちょっとした小さな小さな陽を全力で喜び、たくさんの陽の出来事をかき集めて、陰の時間を乗り越える武器にしていこう。そして、皆さんに幸せと思える瞬間がたくさん訪れますように。
届け!私の愛💕