事務所ニュース2024年7月 | 金森勝税理士事務所

金森勝税理士事務所

金森勝税理士事務所は会計・税務を超えたプラスαのつながりと安心 頼れるをモットーにお客様のために最善を尽くさせていただきます。

暑くなってきましたがいかがお過ごしでしょうか。
いつも事務所ニュースをお読みいただきありがとうございます。
税理士事務所は、3月決算法人の申告を終えてホット一安心の時期になったと思った途端、源泉所得税納期の特例事業者の納期限が7月10日です。
納期の特例の事業者の皆さんは、期限後納付にならないようご注意ください。
今月号の「知って得しま専科」は、「定額減税、不明点を解消!こんな場合はどうする?」ということを解説いたします。
また、「5分で学べる税務知識」では、「ランチの補助と給与課税」ということを解説いたします。
「コーヒーブレイク」では「中企庁 事業再構築補助金の申請受付を開始」として補助金の申請が受付開始しましたのでお知らせ致します。
今後もお役に立てそうなコラムをお届けしてまいりますので、引き続きよろしくお願いいたします。
頑張ろうぜぃ〜(税) ♪

知って得しま専科! 定額減税、不明点を解消!こんな場合はどうする?

令和6年6月から始まった定額減税ですが、まだ不明な部分も多いかと思います。
そこで読者の方が気になる不明点の部分をピックアップして解説していきます。 

 

■2社で勤務する者や年金を受給している者の減税対応
令和6年6月1日以後に「基準日在職者」に支払う給与等の源泉徴収税額から、月次減税額の控除が必要となる
2か所から給与を受けている従業員等の従たる給与(乙欄適用給与)に係る源泉徴収税額の定額減税の適用について、月次減税事務では、主たる給与の支払者のもとでのみ控除されることになり、従たる給与の支払者のもとでは控除されない
そのため、定額減税額のうち主たる給与の支払者のもとで控除しきれなかった金額がある場合は、その従業員等が確定申告を行った際に、主たる給与と従たる給与(給与以外の所得を含む)を合わせて計算される年間の所得税額との間で、控除しきれなかった金額を精算することになる。
また、従業員等のうち、公的年金等に係る源泉徴収税額に定額減税の適用を受ける者についても、その主たる給与の支払者のもとで控除の対象となる場合は、主たる給与の支払者は月次減税事務を行うことになる。
この場合、給与等と公的年金等とのそれぞれの源泉徴収税額から減税額の控除を重複して受けることになるが、重複した控除については、従業員等が確定申告を行った際に、最終的な年間の所得税額と定額減税額との精算が行われる。

 

■6月の税額がない場合も7月以降の給与で月次減税事務を
主にアルバイトなどへの対応に関する事例で、令和6年6月にアルバイトがシフトに入っておらず給与がない、もしくは少額で源泉徴収税額がないが、7月に支払う給与には源泉徴収税額が生じるようなケースがある。
この場合、そのアルバイトの従業員等が「扶養控除等申告書」を提出しており、「基準日在職者」であれば、令和6年6月に支払う給与が少額であるなどの理由により源泉徴収税額がないため6月の給与で月次減税事務による控除ができない場合でも、7月以降の給与においては月次減税事務を行うことになる。

 

■育休中等の従業員等も復職後に月次減税事務の対象
育児休業などを取得している休職中の従業員等に関する月次減税事務の対応について、令和6年6月1日現在においてその給与の支払者から実際に給与の支払を受けていない状況にあっても、同日現在その支払者の従業員等としての身分があり、かつ、その支払者に「扶養控除等申告書」を提出している場合は「基準日在職者」に該当する
そのため、その従業員等の復職後に支払う令和6年分の給与については月次減税事務を実施することになる。

 

■扶養親族の増減と月次減税額の計算の対応
所得税の定額減税では、従業員等本人の3万円のほか、その本人の「同一生計配偶者」(合計所得金額48万円以下の配偶者)と「扶養親族」(16歳未満の扶養親族を含む)の1人につき3万円の合計が本人の月次減税額となる
令和6年に出産や死亡により「扶養親族」の数に変動があった場合の月次減税額の計算については次のとおり。
例えば、令和6年7月に出産により「扶養親族」が1名増えても、月次減税額は増えない。
月次減税額は、最初の月次減税事務までに従業員等が提出した「扶養控除等申告書」等により確認した「同一生計配偶者」と「扶養親族」の数によって決定するため、その後に「同一生計配偶者」と「扶養親族」の数に異動があっても、月次減税額の再計算はしない。
最終的な定額減税の額は、年末調整又は確定申告で調整する

一方、例えば令和6年4月に「扶養親族」である母が死亡した場合、「扶養親族」であったかどうかの判定は死亡時の現況により判定するため、令和6年6月1日よりも前に死亡した親族でもその死亡時に「扶養親族」であれば、令和6年分の「扶養親族」として、月次減税額の計算に含めることになる。

 

■組織変更があった場合も引き続き月次減税事務を実施
月次減税事務は、令和6年6月1日時点で在職する「基準日在職者」が対象となるが、同日後に会社の“組織変更”があった場合の対応については次のとおり。
例えば、令和6年7月に合同会社から株式会社に組織変更があった場合、この組織変更により給与の支払者に変更があったことにはならないため、その法人の従業員は同一の法人に継続して雇用されているものと扱われる。
組織変更前の法人において「基準日在職者」であった従業員等については、組織変更後においてもすべて「基準日在職者」に該当するため、引き続き月次減税事務を行うことになる。

 

■給与支払明細書への減税額の記載は別紙でもOK
従業員等に交付する給与支払明細書には、実際に控除した月次減税額の記載が必要だ。
余白がないなど、給与支払明細書に減税額の金額を記載することが難しい場合は、例えば、別の用紙に「定額減税額(所得税)×××円」などと記載して従業員等に交付してもよい。
また、月次減税事務により、全ての従業員等の源泉徴収税額が0円となったため、納付すべき税額がなくなった場合でも、「納付書(給与所得・退職所得等の所得税徴収高計算書)」の各欄を記入し、所轄税務署に提出する必要がある。

 

■年調減税事務に関する質問
令和6年の年末調整時に年調所得税額から行う年調減税額の控除等(年調減税事務)について、6月の月次減税事務の際に従業員等から「同一生計配偶者」の記載がされた「源泉徴収に係る定額減税のための申告書」の提出を受けている場合の対応に関するものだ。
この場合、年調減税額の計算に当たり、年末調整時にその従業員等から「配偶者控除等申告書(又は年末調整に係る定額減税のための申告書)」の提出を受けることが必要だ
また、「同一生計配偶者」について、「源泉控除対象配偶者」として記載された「扶養控除等申告書」の提出を受けた場合も、年末調整の際には、「配偶者控除等申告書(又は年末調整に係る定額減税のための申告書)」の提出を受けることが必要となる。
年末調整では、「同一生計配偶者」のうち、控除対象配偶者に該当する人は「配偶者控除等申告書」に、控除対象配偶者に該当しない人については「年末調整に係る定額減税のための申告書」に、それぞれ記載をすることになる。
なお、「配偶者控除等申告書」に記載があっても、「配偶者“特別”控除の適用を受ける配偶者」については、年調減税額の計算に含めることはできない。

 

■年の途中で扶養親族等が非居住者となった場合の年調減税額の計算
月次減税額の計算に含めた「扶養親族」が留学などにより、令和6年12月31日時点では非居住者となる見込みの場合について、年調減税額の計算対象の“居住者である”「扶養親族」や「同一生計配偶者」に該当するか否かは、原則として令和6年12月31日の現況で判定する。
月次減税額の計算に含めた「扶養親族」等であっても、年の中途で出国し非居住者となった場合は、その非居住者となった「扶養親族」等は年調減税額の計算には含めない
月次減税額と年調減税額に差額が生じる場合は、年末調整時に精算される。
なお、従業員等本人が年の中途で出国し非居住者となった場合や死亡した場合には、その本人の出国時や死亡時の現況において、“居住者である”「同一生計配偶者」や「扶養親族」に該当するか否かの判定を行うことになる。

5分で学べる税務知識 ・・・ ランチの補助と給与課税

急激な物価上昇を考慮し、福利厚生の一環として勤務時の昼食を会社が補助する企業が増えている。
会社から従業員等に支給する昼食が食事の“現物支給”の場合、一定の要件を満たせば、その経済的利益はないものとして給与課税されない。
所得税法上、給料・賞与といった金銭の支給以外に、会社が従業員等に行う経済的利益の供与も、原則、給与として課税される。
ただし、一定の供与については、経済的利益はないものとして非課税となり、その一つに、食事の支給がある。
会社が従業員等に対して食事を支給する場合、
①従業員等が食事代の半分以上を負担していること、②会社の補助額が1か月あたり税抜3,500円以下の2つの要件を満たすと、非課税とされている
この取扱いが適用されるのは、食事を弁当等として用意するなど“現物支給”するケースに限られている
例えば、従業員等が飲食店で食事の代金を支払い、その領収書等に基づき会社と実費精算する場合は、従業員等にその食事代を“金銭支給”しているため、上記①②の要件を満たしていたとしても、補助する全額が給与課税される。
ただし、従業員等との実費精算ではなく、会社が特定の飲食店との契約により、従業員等の食事代を飲食店に支払う場合は、食事の“現物支給”と同様の実態が伴うとして、上記①②の要件を満たせば非課税としてよいとしている。
なお、昼食ではなく、残業や宿直等をした従業員等に食事を現物支給する場合は、時間外勤務等に伴う実費弁償的なものである点から、従業員等の負担額がない場合であっても、非課税となる取扱いも設けられている。

 

福利厚生の一環として食事の補助を検討することも検討してみてはいかがでしょうか。

コーヒブレイク ・・・中企庁 事業再構築補助金の申請受付を開始

今月号のコーヒブレイクでは補助金関係のお知らせを致します。
金森税理士事務所は、認定経営革新等支援機関の登録業者に指定されています。
何かと複雑ですので、多くのお客さまからもご相談を受けておりますのでご遠慮なくご連絡をお待ちしています。

 

さて、中小企業庁はこのほど、事業再構築補助金の第12回公募の申請受付を開始した。
今回の公募では、現在も新型コロナの影響を受ける事業者を支援する「コロナ回復加速化枠」や、ポストコロナに対応した事業再構築を行う事業者を支援する「成長分野進出枠」等が創設され、「サプライチェーン強靭化枠」では最大5億円の補助金額が設けられた。
締切は本年7月26日(金)18時まで。

 

■コロナで抱えた債務の借換えを行う事業者を支援
本補助金事業は、ポストコロナの経済社会の変化に対応するため、新市場進出や事業再編等の思い切った事業再構築に意欲を有する中小企業等を支援するもの。
第12回公募では、これまでの「成長枠」や「グリーン成長枠」等を「成長分野進出枠」としたほか、「物価高騰対策・回復再生応援枠」と「最低賃金枠」を「コロナ回復加速化枠」に統合した(【参考】)。また、【参考】のうち、①~④の類型の上乗せ措置として、「卒業促進上乗せ措置」と「中長期大規模賃金引上促進上乗せ措置」が講じられた。


各類型の共通要件は次のとおり。

各類型の主な共通要件
次の(1)~(3)を全て満たす中小企業者等及び中堅企業等
(1) 事業再構築指針に示す「事業再構築」の定義に該当する事業であること。
(2) 事業計画書を金融機関等や認定経営革新等支援機関と策定し、確認を受けていること
(3) 補助事業終了後3~5年で付加価値額を年平均成長率3.0%~5.0%(事業類型により異なる)以上増加させること、又は従業員一人当たり付加価値額を年平均成長率3.0%~5.0%(事業類型により異なる)以上増加させること。

 

コロナ回復加速化枠では、コロナで抱えた債務の借換えを行っている事業者を支援する「通常類型」と、最低賃金引上げの影響を大きく受ける事業者向けの「最低賃金類型」に分かれる。
いずれも、コロナ借換保証等での既往債務の借換えを要件としているが、最低賃金類型では任意としている。
ただし、同要件を満たさない場合は補助率が引き下げられる。

 

■企業規模の拡大や大幅賃上げに上乗せ措置
サプライチェーン強靭化枠では、ポストコロナの経済社会において、海外で製造等する製品の国内回帰等によって国内サプライチェーンの強靱化等に資する取組を行う中小企業等に対し、最大5億円の補助金額で支援する。
なお、同枠に申請する場合は、成長分野進出枠等といった他の事業類型に応募できない点には注意が必要だ。
その他、成長分野進出枠・コロナ回復加速化枠を通して、中小企業者等から中堅企業等に成長する事業者は「卒業促進上乗せ措置」を、大規模な賃上げ等に取り組む事業者は「中長期大規模賃金引上促進上乗せ措置」をそれぞれ同時に申請できる。
ただし、各上乗せ措置の両方に申請できない点に留意されたい。

 

■事前着手制度は原則廃止に
本公募の申請方法は、電子申請システムのみとなり、GビズIDプライムアカウントの事前取得が必要だ
第11回公募まで実施してきた事前着手制度は、昨年5月に新型コロナの感染症法上の位置づけが5類に移行したこと等に鑑み、原則廃止される。
経過措置として、第10回・第11回公募で事前着手が可能だった事業類型の補助金交付候補者として不採択となった事業者は、第12回公募でコロナ回復加速化枠等への申請時にのみ事前着手が認められるが、同制度は本経過措置をもって完全に廃止される。
公募要領などの詳細は、事業再構築補助金のホームページを参照されたい。

 

【参考】新設された類型ごとの補助上限金額や補助率

類型 従業員数 補助上限金額 補助率
①     成長分野進出枠
(通常類型)
~ 20人
21~ 50人
51~100人
101人~
1,500万円(※2,000万円)
3,000万円(※4,000万円)
4,000万円(※5,000万円)
6,000万円(※7,000万円)
(廃業を伴う場合は廃業費を最大
2,000万円上乗せ)
【中小】1/2(※2/3)
【中堅】1/3(※1/2)
成長分野進出枠
(GX進出類型)
【中小】  ~ 20人
21~ 50人
51~100人
101人~

 

 

【中小】3,000万円(※4,000万円)
5,000万円(※6,000万円)
7,000万円(※8,000万円)
8,000万円  (※1億円)
【中堅】1億円(※1.5億円)

 

 

【中小】1/2(※2/3)
【中堅】1/3(※1/2)
コロナ回復加速化枠
(通常類型)
~5人
6~20人
21~50人
51人~
1,000万円
1,500万円
2,000万円
3,000万円
【中小】2/3(従業員数5人以下は400万円、6~20人は600万円、21~50人は800万円、51人以上は1,200万円まで3/4)
【中堅】1/2(従業員数5人以下は400万円、6~20人は600万円、21~50人は800万円、51人以上は1,200万円まで2/3)
コロナ回復加速化枠
(最低賃金類型)
~5人
6~20人
21人~
500万円
1,000万円
1,500万円
【中小】3/4(コロナ借換要件を満たさない場合
2/3)
【中堅】2/3(コロナ借換要件を満たさない場合
1/2)
卒業促進上乗せ措置 上記①~④の補助金額上限に準ずる 【中小】1/2
【中堅】1/3
中長期大規模賃金引上促進上乗せ措置 3,000万円
サプライチェーン
強靭化枠
5億円
(注)建物費がない場合は3億円
【中小】1/2
【中堅】1/3

【中小】…中小企業基本法等に定める中小企業者等
    【中堅】…資本金・出資金総額10億円未満等の中堅企業等。
※短期に大規模な賃上げ(事業終了時点で、①事業場内最低賃金+45円、②給与支給総額+6%を達成)を行う場合に適用。

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「税目別誤りやすい税務への対応Q&A(第2版) 」法人税の対応を担当しました。

 

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