寝付けない夜が続く
最近眠れない。
より正確に言うと「寝付けない」夜が続いています。
原因はわかっています。
きっかけは、日曜劇場「VIVANT」。
堺雅人ファンでもあり、毎週家族で楽しみにしているVIVANTですが、苦手なシーンがあります。
家族が観ている横で、私は何かをしながらチラ見している程度なのですが、それでも暴力シーンが目に入ってしまった。
そうなると、夜ベッドに入った暗闇の中で、陰惨なニュースや小説の場面の記憶がするすると引っ張り出されて、怖くて寝付けなくなるのです。
「子どもじゃないんだから笑」
という声が聞こえてきそうですが、本当なのだから仕方ない。
追い打ちをかける「THE BEE」再演のニュース
ちょうど今週は、NODA・MAPの「THE BEE」が本多劇場で再演されるというお知らせが流れてきたところでもありました。
「THE BEE(ザ・ビー)」は、野田秀樹が筒井康隆『毟りあい』を原作に、ロンドンで書き下ろした衝撃的な舞台作品。
暴力の連鎖・報復・狂気をテーマにした、NODA・MAPの代表的な番外公演です。
今回のメインキャストは、高橋一生、二階堂ふみ、河内大和、川平慈英。
私はまだ観ていませんが、過去にレビューを読んでその救いの無さに戦慄しました。
今回も再演に沸く一方で、「観るのに相当な覚悟がいる」とSNSでは囁かれています。
VIVANTの残像がその具体的なグロテスクさとも結びついてしまった。
(両作品とも、けして批判しているわけではありません)
過去から続く「怖さへの過敏さ」
私、ちょっとヤバいくらいの怖がりでして。
高校生の頃のことです。
実家ではニュースをみながら朝食をとる習慣がありました。
流れてくる心塞ぐようなニュースに食欲がなくなり、私が全然朝食がとれなくなったので、母が食事中はテレビを消してくれるようになりました。
大人になって脳の構造について知ると、自分は、扁桃体のはたらきがちょっとおかしいのかな、と思ったりします。
「危険」を優先してしまう脳
脳は、危険や恐怖に関わる記憶を「優先的に保存する」ようにできています。
生き延びるために、危険を忘れないようにする仕組みが備わっているからです。
特に、扁桃体(へんとうたい)という感情の中枢は、強い恐怖やショックを受けた場面を「これは重要だ」と判断してしまう。
すると、たとえそれがドラマや舞台のフィクションであっても、脳は現実の危険と同じように扱ってしまうことがあるそうです。
扁桃体が反応すると、その周りにある海馬(かいば)が、過去の似た記憶を次々と引っ張り出してしまう。
「これはあの時の怖さと似ている」「気をつけろ」と、脳が勝手に関連づけてしまうのだとか。
野田秀樹の狙いは
・・書いていて気付いたのですが、野田秀樹はもしかして、それを狙っている?
ショッキングな場面を演じることで、観客に強い恐怖を植え付ける。
脳は疑似的に、まるで現実の危険かのように観客に感じさせる。
それによって、その後の人生において繰り返し暴力の場面をフラッシュバックさせ、「こんなことが起きてはいけない」と人間の負の連鎖に歯止めをかける・・。
もしかして、それが狙い?
もしそうだとしたら、その狙いは確実に達成されているのかもしれません。
過去に観たNODA・MAP作品の記憶
私が過去観たのは「パイパー(2009)」、「半神(1999)」、「キル(1997)」の三作品しかありませんが、どの作品もその時は俳優たちの演技に圧倒され、終わった後には放心状態になったものです。
でも、どんなメッセージだったのかは、正直、覚えていません。
その意味では、「THE BEE」は他の追従を許さない作品と言えるのかもしれません。
ますます行きたいような、行きたくないような・・。
ま、心配しなくてもこのキャストで本多劇場なら、チケットとれないと思うけど笑
今日こそ、早く寝つけますように。
パイパー(2009)
クライマックス、松たか子と宮沢りえの演技合戦が甲乙つけ難い凄さ!!
半神(1999)
敬愛する萩尾望都の作品でした。
キル(1997)
ここから始まりました。
