大事な段落を抜かしてしまっていました💦
申し訳ありません。色が違う後段部分ですので、追記しています。(20:32)

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藤井風インタビューを備忘のため記載しておきます。

ロラパルーザのステージの直後のインタビューっぽいですね。

 

彼の柔らかな語り口そのものが浮かぶような、静かで、微笑みをたたえたような内容です。

風さんのビジョンも語られ、ああ本当にそういう日が来るのかな・・と。

 

写真もとても美しく、スピリチュアルな雰囲気がよく出ていますので、ぜひ以下からどうぞ。

 

 

 

「シャマニ・ジョシ 46分前」

ムンバイで開催された Lollapalooza India 2026。
燃えるような夕焼けを背景に、藤井風はH&Mステージの上を自由自在に舞うように歩いていく。
彼の蜂蜜色の髪が風に揺れ、どこか現実離れした雰囲気をまとわせていた。
彼はまるで身体を自在に折り曲げる曲芸師のように、身体をひねり、回転しながら、
「Hachikō」「死ぬのがいいわ」「Prema」などの人気曲を次々と披露する。

そして、腰を突き出したり、腕を大きく振り上げたりするたびに、観客は歓声とともに沸き立った。

 

ステージを終えた直後、ローリングストーン・インディアのバックステージで話を聞くと、風は興奮で胸を弾ませながらも、まるで子どものような好奇心で、今自分がいる場所のすべてを吸収しようとしていた。

彼は語る。インドは自分にとって「精神的な故郷」のように感じられ、ムンバイで無数の観客の前に立ったことで、その思いはいっそう深まったと。

「正直に言うと、ちょっと難しいライブだった」と彼は認める。
「でも、外国にいる感じがしない。インドは僕に“ここがホーム”って感じさせてくれる。ここが僕の居場所なんだ」

 

風は岡山県里庄町で生まれ育ったが、幼い頃から家族と一緒にバジャンやマントラを歌い、インドの精神文化に囲まれて育った。
今回の訪問は4回目で、前回は2022年、ウッタラーカンドの山岳地帯で「Grace」のミュージックビデオを撮影したときだった。

しかし、インドのステージに立つのは今回が初めてのことだ。
それでも本人は、まったく初めてという感覚ではなかったという。

「もう何度もここで歌ってきたような気がした。今日はそのうちの一回にすぎない、そんな感じだった」と彼は語る。
そして、理由は説明しきれないけれど、これからも何度でもインドに戻ってくるつもりだと強く言い切った。

 

風のアーティストとしての歩みは、決して一直線ではなかった。
幼い頃からネット上の多くの視線にさらされながら育ち、12歳でYouTubeにカバー動画を投稿し始めたのが音楽活動の原点だ。
やがて彼のコミュニティは何千人から何百万人へと膨らみ、ファンは彼の歌詞の一つひとつに深く心を寄せるようになった。

しかし、ベッドルームでひとり音楽を作っていた若い彼にとって、その可視性はしばしば奇妙で、どこか孤独な感覚を伴っていた。
自分の周りに広がる観客の存在が、逆に遠く感じられるような矛盾した状況だった。

その矛盾は数年後、彼の代表曲「死ぬのがいいわ」がパンデミックの最中にTikTokで爆発的に広まったときにも再び現れた。
曲がリリースされてから何年も経っていたにもかかわらず、突然世界中でバズり、彼はまたしても自分のベッドルームからインターネット上の名声を浴びることになった。

 

それ以来、彼はその“個人的でオンライン中心のつながり”を、実際の空間で共有する体験へとゆっくりと変換してきた。
ドバイのコカ・コーラアリーナやムンバイのマハラクシュミ競馬場のような巨大会場を容易に満員にできるようになった今でも、彼は率直にこう語る。

「自分らしいパフォーマンスの仕方を、まだ探しているところなんです」

彼にとってパフォーマンスは儀式のようなものだという。

「毎回、心も体も準備しなきゃいけない。いつも簡単ってわけじゃない。でも、それが自分をより良い人間にしてくれる。人として成長させてくれるんです」

 

ステージを降りた風は、普段は物静かで思慮深い雰囲気をまとっているが、ひとたびステージに立つと、自由奔放で温かいエネルギーを放つ存在へと変貌する。
そのエネルギーは、彼の見た目のすべてにまで広がっているようだった。

この日の彼の衣装は、1970年代風の蝶柄フレアパンツに、模様入りのピンクのシルクシャツ、ブラウンのベルベットジャケット、トライバル調のネックレス、そして何より印象的なのが額に付けられた黒いティカ。
色彩と要素が入り混じった、カオスでありながら調和したスタイルは、彼のステージ上のキャラクターにぴったりだった。

 

「70年代のロックスターみたいな服に、インド風のティカを合わせてみたんです。ちょっとランダムに見えるかもしれないけど、全部つながってるんですよね」と彼は語る。

その“つながったカオス”は、彼の音楽にも通じている。
ポップ、ジャズ、R&B、ソウルなど、特定のジャンルに縛られない彼のサウンドそのものだ。

「僕の音楽もそうなんです。ひとつのジャンルに収まらない感じがするんですよね」

 

インドは藤井風の魂にとって特別な場所であり、彼はサンスクリット語を学び、いずれはここに移住して“デヴォーショナル・シンガー(祈りの歌を歌う歌手)”になりたいとさえ語っている。
彼が特に興味を惹かれているのは、バジャン(祈りの歌)をクラブミュージックとして楽しむ新しいムーブメントで、敬虔な音楽がダンスフロアで新たな命を得ているという現象だ。

 

「本当に素晴らしいと思います。というのも、僕がインド哲学から学んだスピリチュアリティを、もっとカジュアルで、ポップで、クールな形で人々に伝えたいと思っているからです。だから、ああいう“楽しい空気”の中で、あのスピリチュアルな感覚を共有できるのは本当に素敵だと思います」と、彼は微笑みながら語った。