この時季の和菓子として、最も好きで絶対に食べなくちゃ!と力の入るひと品がこの雪餅。餅とついていますが、ご覧の通り、きんとんです。なぜこれが雪餅と呼ばれるのかわかりませんが、この真っ白なふわふわとしたイメージは、本当に雪っぽい気がします。
いろいろなお店が作られているので、いろいろなタイプがあるとは思いますが、久保の好みはつくね芋のきんとんに黄身餡。この嘯月さんの細やかなきんとんはより一層雪の風情を感じます。
真っ白なきんとんに黒文字を入れると、中から黄色い餡がのぞくのがビジュアルも美しく、味的にもとても完成度が高いと思います。
雪餅については、今はもうなくなってしまった「生風庵」さんのものがとても印象深いです。お稽古に通っていたお茶の先生がとてもお好きだったというのもありますし、ほかのお店のものよりとても白く、そして黄身餡は鮮やかに黄色い、感じ。お芋の香りも卵黄の香りも強く、ストレートな風味だったように覚えています。