昨夜、NODA MAP「桜の森の満開の下」
パリ公演を観に行きました。
ジャポニスム2018の一環です。
場所は先日歌舞伎が行われたのと同じ
シャイヨー劇場。
仕事していたらギリギリになってしまい
歩いて向かうつもりが
行きはバスを使おう!
ギリギリとはいえ開演15分前には着く予定。
バスに乗り、おばあちゃまの隣に着席。
すると彼女がおもむろにバッグから
NODAMAPのチケットを取り出した
あら、マダムもシャイヨー劇場へ行くのね!
あら、マダムもシャイヨー劇場へ行くのね!
で、何となく目があったので
私もこれに行くんです
あら、あなたも?
そこから英語とフラ語を混ぜながら
マダムとのトークスタート。
マダムは開催中の「若冲展」の冊子を取り出し
行ってきたの。本当に素晴らしかった!
とか
日本へ行きたいと思いながら年をとってしまったわ…
とか
日本へ行くことができたら工芸品をたくさん見てみたいの!
とか
ダンスや舞台が好きでシャイヨー劇場へはよく行くのよ~
とかとかとか…
とにかく色んな話を楽しくしていたら
…あれ?
一向に景色が変わらないことが気になり
それはつまり
…バス止まっているよね
そうなんです。
何があったのかわかりませんが
バスが10分間全く動かない!!
窓から見たらアルママルソーの交差点が
車でびっちり、つまり大渋滞
…この円の中。
ここは一体、何差路が正解なの??
とにかく交差しまくるゾーン。
私たちのバスはアルマ橋の真ん中で
動けず、動かず、止まったまま。
これは時間が心配だ
今何時?間に合うかしら?
開演まであと13分。
このまま乗っていたら絶対に…
間に合いませんよね
間に合わないわね
すると、この停滞状態に
ほかの乗客もしびれを切らして
降ろしてー
運転手もどうしようもないので
橋の真ん中、車が大渋滞の中、
ドアオープン
ぞろぞろと降りて行く人々。
マダム、どうしますか?
…動かないわよね
私は行こうと思いますが
よし、行きましょう!
私たちもバスを降りたのですが…
マダムは御年80歳くらいかな?
という印象だったので
ここから渋滞の車の間をぬって
シャイヨー劇場までの坂道を行くのに
一人で先に行ったら失礼だよね
と勝手に思っていたんですね、私。
ところが、マダム。
バスを降りたとたんすごい勢いで
車の間をしゅるしゅるっと抜けて
すたすたすたすたすた…
あっという間に橋を渡り
赤信号も突破して一気に歩道へIN!
道が二手に分かれている所も
こっちの方が近いわよ!
と、迷うことなく早足ですたすたすた。
すたすたすたすたすた
すたすたすたすたすた
どこから見ても2人で強歩状態
すたすたしながら、
マダム、お名前は?!
マリーズよ!あなたは?
カナ!
もはや小走りに近い状態になり
徐々に、マダムマリーズと差が開く、
そう、マダムマリーズの方が
私より先を行くというまさかの展開!
すたすたすたすたすたすた
すたすたすた、、、、ぜーぜー
大丈夫?!
だ、だいじょうぶっ!
マダム、超健脚
マダム!パリの街をこんなにどんどん歩けるなんて、あなたは真のパリジェンヌだわっ!
あははははははは
本当にすごいスピードで
マダムは私の先を行き
ときどき振り向いて
いま何時?!
あと7分!!
途中、バス停を見つけると
あと2分…歩いた方が早いわ
ええそうね!
(声は聴こえどすでに結構な差が開いている)
一向にスピードを落とすことなく
セーヌ川沿いの歩道を小走りする
ベテランパリジェンヌ
ぽんこつ日本人
マダム、、実は本当は
10代ですか?
あそこを曲がる?!
差があるので結構大声で言う私。
いえ、次を曲がるわよ!!
と振り向きながらも
スピードが落ちないマダム。
OK!!
あ、見えてきたわ!
左手にエッフェル塔、
右手にシャイヨーが見えてくると
そこからが地獄坂
ご存知の方もいるかと思いますが
シャイヨーの庭の方から入ると
そこは延々と上り坂なのです
…じ、地獄
もうすぐ!もうすぐよ!
マダムのスピードは落ちない!!
すごい運動だよね
運動だわー
ぜーぜーぜーぜー
大丈夫?!
ええ…
もう私の足腰はガッタガタ、
息も上がるし汗だくだし
ああ…もう私…
体がバラバラになりそう、
いやもうすでに
バラバラになっているかもー
…と心の中で叫んだら
目の前にシャイヨー劇場が!!
着いたわー
つ、ついた…
開演時間ぴったり!
あの道のりを、あの坂道を
一度も休まず小走りで
でもまさか間に合うなんて
これを奇跡と言わず何と言う!
劇場を入ると大階段があるので
それを降りるのですが
マダムは変わらずすたすたすた
ぜーぜー
というより、もう変な
ひょーひょー
という息の上がり方をしている私に
もう大丈夫よ、ゆっくりゆっくり
と励ましてくれるマダムマリーズ…
やはりあなた10代よね?
そして転がるように客席に向かうと
席に着く前にマダムが小声で
ごめんなさいね、私の(国の)交通会社がふがいないばかりにあなたに迷惑をかけたわ
…
いいえぜんぜん!
なにこの気遣い!
これだけ走った後にこの心配り!
その後マダムは自分の席へ向かい
隣の男性と話していました。
(多分ダンナさまだったと思われます)
私といえば
本当は前から9列目だったのに
もう始まりますから休憩後に移動して
と案内係に言われて
真ん中の通路の補助席に着席。
ふー
もう体ガッタガタ…
なんでこんなにしんどかったんだ?
カカトがあるブーツだったというのは
一切言い訳にならない気がする。
もしや私が知らない間に80代では?
とため息をついたら、開演
すごい、間に合ったんだー…
前半を客席中央部分で観て
後半を前の方で観ました。
超絶技巧のようなセリフ回しを
聞き逃すまいと必死
宝塚以来の男役、と話題の
天海祐希さんの男役は
もう本当にかっこいいわ素敵だわ、
立ち居振る舞いも美しすぎて
惚れてまうやろー
しかし、豪華キャストだったなー。
あれ、これはどういう?
という分からない点もあったけれど
とても面白かったので
もう一度観てみたいなあ…と。
観劇すると演者のパワーにも
毎回圧倒されます。
満開の桜の装飾も素晴らしかったです。
さて、帰ろうとヨタヨタ立ち上がり
ぐるりと回ってエスカレーターへ。
なかなかに年代物のエスカレーター。
出口で遠くにマダムマリーズが見えたので
心の中で
メルシーボークー
もう会うことはないだろうけれど
マダムとの出会いは、勉強も運動も
もっと頑張りなさい
という神さまからのお告げだった、、、
いや、彼女が神さまだったのでは?
と思いながら家路についたのでした。
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