
あらすじ
映画化大ヒット青春小説!
バレー部のキャプテン・桐島の突然の退部が、5人の高校生達に波紋を起こして……。
至るところでリンクする、17歳の青春群像小説。
第22回小説すばる新人賞受賞作。
Amazonより
2010年 集英社
感想
タイトルに「桐島」ってあるけど、
桐島は出てこないらしい。
という前情報だけ持って読みました。
オムニバス?形式で、
5人の少年少女を主人公に
各章があります。
違う章にも、他の章の子が出てくるんだけど、
名前が覚えられなくて、ちょっと前に戻ってパラパラしたり、、(汗)
あの子ってこの子だっけ?とか、、。
お話はとても青春です。
各章にチラチラと桐島が部活に来なくなったことによる生活の変化みたいなものが出てきます。
高校特有の生徒のランク付けが顕著に出ていて
出てくるほとんどの子が上の子たち。
その中でも、中身までチャラチャラしているのから、
本当は心の中はチャラチャラしたくないのにな子もいます。
そして、中くらいの子や下の子も出てきて、
作者全部の気持ちわかるんかい!
取材?想像?
自分の中に全部あるの?
文章がまた、青春感溢れていて
表現が綺麗だったり面白かったり
出来過ぎてて逆にちょっと引くくらいな文章だと思ってしまいました。
とても美しいしパターンあるなぁと。
しかし、青春ど真ん中の子は
ここまで自分が青春ど真ん中だよって
思ってないんじゃないかい?
とか思ったりもしました。
各章で、主人公が変わるので
話もだいぶ変わるのですが、
中でも、宮部実果の章は
かなり衝撃で、
章が終わっても私は引きずっちゃったよ。
こんな状態で、チャラくできて、
スポーツも頑張って
って、普通の子にはできないって!
実果辛すぎます、そしていい子。
菊池宏樹からみた映画部も印象的。
自分はイケてて、
かわいい彼女もいて、
スポーツできて、
かっこいいと言われて、
何でもそつなくこなして、
友達とも上手くやって、
でも、本当は同調したくないこともあって、
頑張りたいけど怖くて頑張らなくて、
好きなことをやって
同志もいる名前もうろ覚えの映画部が
輝く笑顔なのを見て
クラっとして。
今イケてる自分より
前田涼也と武文のように
好きなことで輝いていることに
人を見下してる友達に
それに同調してる自分に
頑張りたいのに頑張れない自分に
イライライライラ
そが思春期なんだろうな。
そして、
社会人になって輝けるのは
映画部の子たちのように
自分が好きなことを極めてる人なのかもしれませんね、
二十歳を過ぎたらただの人
と、イケてる子たちはなってしまうんじゃないかなんて思いました。
宏樹は最後桐島に意見を伝えようとして
自分を戒めているようで、
桐島も宏樹もいい高校生活を送ってくれ!
と思ってしまいました。
映画のあたりの会話で、
たくさん映画が出てくるけど、
タイトル知ってるけど見てないのがたくさん。
(全部映画の雰囲気はわかるんだけど
なんか、映画好きの高校が好きそうなやつ)
ちょっと見てみようかななんて思う。
昔、『リリィシュシュのすべて』を見て
わかんなくて、ただただしんどかったんだけど
今なら見れるかなぁ、、。
そんで、ハンガリー舞曲第五番を
どんなイメージで吹けばいいか聞かれて
さけるチーズと答えるセンスが好きです。