司法書士の山口です。

 

今日は、債務整理のある相談者さんのお話。

借金減額シミュレーターを利用して、任意整理を依頼したそうです。

 

「借金減額」「国が認めた救済制度」

こうしたものをアピールする司法書士事務所や弁護士事務所が行っている広告です。

 

※ネット検索でそれらしい画像をスクショしてみました。

 

 

 

こうした借金減額シミュレーターで広告を行っている事務所の中には「費用が異常に高い」ことがあります。

 

任意整理の費用が高いと、サービスや技術も高いと勘違いしている人がいたら大違い。

 

私、職業柄、他の事務所の任意整理の話とかもよく聞くのです。

任意整理の和解で、カード会社さんとその辺の話したりすることもありますし。

 

・借金減額シミュレーターを使っている

・費用が相場より高い(任意整理1社6万円~12万円)

・毎月事務所に入金するお金の内訳を細かく説明しない

 

この3つが揃ってる場合は、依頼は止めたほうがいいでしょう。

 

もっと安くて、いい事務所なんてたくさんありますよ?

 

今日は事例付きでちょいと説明してみます。

 

(経緯)
借金減額シュミレーターから、○○○事務所に任意整理を依頼。

(他でも聞く限り評判の良い事務所ではない。)

1ヶ月辺りの任意整理の返済額の目安は、5万4000円。

毎月の事務所への支払いは、6万8000円。

失業して返済に行き詰まる。

費用の支払いができなくなると、対応が急変。

突然辞任される(費用の返金はなし)。

うちの事務所へ相談・依頼。

 

(問題点)

①月々の積立額

任意整理の返済額が5万4000円なのに、6万8000円を設定。

これは、費用が高すぎて追いつかないから、多めになっています。

これで払えなくなるのは、費用が原因と言ってもおかしくはない。

 

つまり、この事務所がいると余計払えなくなるということですな。。

うちの事務所では、よほどの理由がない限りは、任意整理の返済額にそろえる

 

つまり、毎月5万5000円前後にするということ。

この1万3000円ぐらい高い積み立てが、ポイントになっているのです。

 

 

②すぐに辞任

費用が払えなくなったら辞任するのは、契約上はありです。

しかし、事情によってはある程度待機しないと。

しかも、自分たちの事務所の費用が原因の可能性もあるわけだから。

そして、通常は生活状況が変わったら、破産や個人再生に方針転換の相談を行う。

それもしない…辞任して終わり。

これでは、ご本人さんがあまりにもかわいそうでしょ…。

 

 

③和解書を渡さない

この事務所は、任意整理の和解を先行して行い費用の支払いと並行させる方法

しかし、任意整理の和解書をなかなか本人に渡さなかったらしい。

任意整理の和解書は本人のもの

代理人のものではありません。

代理人は、本人に代わって和解しているだけです。

だから、和解書を本人に渡さないのはあり得ない。

これがないと、本人はその事務所がちゃんと和解をしたか?(任意整理の仕事をしたか?)も確認できないですしね。

 

(コメント)

結果的に、こういう事務所に依頼してもお金の無駄ということ。

費用は高い、ピンチになったらすぐ捨てられる。

任意整理の和解書を見ても、まぁ普通のレベルの和解です。

 

インターネットやSNSでいいこと書いてあっても、現実はこんなもん

口先の言葉を信用せずに、行動で本質を見極めること。

 

・お金の話をちゃんとしない(内訳が分からない)

・いいことばかり言ってその気にさせる(悪いことを説明しない)

・質問したことに誠実に回答しない

 

こういう場合は依頼しないほうがいいでしょう…

任意整理の依頼に関わらず、実生活と同じことです。

 

 

 

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