司法書士の山口です。

 

今日は、任意整理を早くしたほうがいい理由。

 

語弊がないように言うと、もちろん任意整理するべき段階の場合。

 

任意整理する必要のない(順調に支払いができている)場合は、除きます。

 

 

ただ、任意整理をする必要があるなら、早く任意整理したほうがいい。

 

その理由は、以下のとおり。

 

・返済能力がオーバーしている場合は借金が増えるだけ。

 

・任意整理ができなくなる可能性がでてくる。

 

・精神的に疲弊し、病気になる可能性がある。

 

・やるなら早いほうが金銭的にお得。

 

1つずつ確認していきましょう(^.^)

 

 

返済能力を超えている

 

人それぞれ返済能力というものがあります。

 

返済能力を超えて返済を続けても完済はできませんし、その場しのぎの返済で終わるだけです。

 

返済能力の基準としては、給料(月の収入)からカードの支払いをして、普通の生活ができているか?

 

カード返済をした後に、

 

・給料が全てなくなる→至急、任意整理

 

・給料が半分以上残らない→今すぐ任意整理。

 

・年々、生活にゆとりがない→任意整理を要検討

 

・今まで通りの生活である→任意整理しなくてよい

 

こんなイメージです。

 

 

例えば、一般的な年収で、カードの返済額が20万円を超えている場合は、危ないです。

 

即任意整理した方がいいでしょう。

 

カード返済額が10万円~15万円あたりの人も、カードを使わなければ生活できない人がほとんどのはず。

 

この場合も、今すぐ任意整理したほうがいいでしょう。

 

「返済ができている」とは、生活に支障がないことです。

 

・毎月生活費が足りない

・カードがないと生活できない

というのは、返済ができているとは言えません。

 

 

また、別の角度からみるなら、月収と借金額のバランス。

 

総量規制では、年収の1/3以上はキャッシングやカードローンの制限がかけられている。

 

お金を借りるうえで、確実なセーフティゾーンがこのラインというわけです。

 

ただし、総量規制では、銀行カードローン・ショッピングの利用は、対象外。

 

実際は、これらの支払いを全て合算すると、年収近く、年収以上の借金になっている方も多くいます。

 

 

こうした点を考慮した上で考えてみると、

月収の10倍以上の借金があるなら、「確実に」返済能力を超えていると言ってよいでしょう。

 

月収20万円なら200万、月収30万円なら300万円といったイメージです。

 

 

 

任意整理ができなくなる可能性

 

任意整理は「裁判所を利用しないでできる」=ひっそりできることから、多くの方が希望します。

 

債務整理の初歩的な手段、それが任意整理というわけです。

 

この任意整理ですが、全員ができるわけではありません。

 

任意整理ができる目安は、借金額を60で割った金額を毎月捻出できるか?がポイントです。

 

その理由は、「分割払いのベースが5年払い」だからです。

 

例えば、カードで300万円分の利用(支払い)額があるなら、300万円÷60=月5万円。

 

給料-(生活費+任意整理の返済額)がプラスならいいですが、

(生活費+任意整理の返済額)が給料を上回ると、任意整理はできないというわけです。

 

任意整理ができないと、それ以外でなんとかする手段は個人再生か自己破産になる。

 

つまり、裁判所の手続きになってしまうというわけです。

 

返済能力を超えて返済を続けていると、半年後、1年後、3年後とどんどん借金は増えていきます。

 

つまり、今なら任意整理ができていたものが、3年後には任意整理ができないということもあるわけです。

 

 

精神的な問題

 

無理な返済を続けていると、もちろん精神的な疲労も相当なものです。

 

返済するためのお金のことばかり考えて、気持ちが落ち込んだり、うつ病になってしまうケースもあります。

 

夜寝られない日が続いた…、

自暴自棄の生活になっていた…

なんてことも、たまに耳にします。

 

気持ちが前向きにならないので、悪いことばかり考えてしまうという方もいます。

 

こうなってしまうと、精神的に限界がきています。

もう、自分1人で解決できる段階ではないかもしれません。

 

誰かに話して解決の糸口を知れるだけでも、気持ちは多少楽になります。

 

とりあえず、

「相談をしてみる=解決方法を知れる(今後の予測が立てられる)」

というだけで、気持ちがだいぶ変わったというケースもあります。

 

 

早いほうが金銭的な負担は少ない

 

早く任意整理をした場合と、

無理な返済を続けた場合を比較してみましょう。

例えば、6枚のカードで400万円の支払いが残っている場合。

 

金利やリボ払いの手数料などを平均すると、ざっくり平均15%(年利)。

 

400万円×0.15=60万円が、元金以外に支払っているお金。

60万円÷12ヶ月=5万円なので、1か月辺り借りたお金以外に5万円を支払っている計算です。

5万円÷6枚のカード=8333円。

カード1枚あたり、8300円ほどの金利・手数料を支払っている計算ですね。

 

こういうのは、自分のカード明細の金利や手数料という欄を、よく見てみれば分かりますよ!

 

 

・今すぐに400万円を任意整理した場合

 

・無理に返済を続けて3年後も400万円を推移して任意整理した場合

 

出費の差がかなりあることは分かりますか?

 

任意整理をすると、利息やリボ手数料の支払いは免除されます。

(一部のサラ金は除く)

 

つまり、この例でいえば年間60万円の負担がなくなること。

 

今すぐにやるのと3年後にやるのでは、180万円(60万円×3年)の出費の差があるということです。

 

 

よく勘違いされる方もいますが、

早くやったほうがいいと急かしてるわけではないんです。

 

無理な返済になっているなら、早くやらないと自分自身が損をしてしまうわけなのです。