司法書士の山口です。
債務整理や過払い金関連の依頼数が今月で200名に到達しました。
予定よりはだいぶ早いので今年は、500名ほどの依頼を受けるでしょう。
不動産関係の登記業務も活発に動いているので、気を引き締めて頑張ります!
さて今日は過払い金の裁判について。
昔はそれほど裁判志向の方は少なかったですが、最近は比較的多くなってきたような気もします。
なかなかわかりやすく記載するのが難しいですが、私たちが行っていくものなので「難しいものなんだ…」とみなさんに伝わればいいです(笑)
裁判には両者で争う点、 「争点」というものがあります。
最近の過払い金の裁判で争点(裁判所で争いになるもの)はこんなところです。
①分断
例えば、20年前から借りて一度15年前に完済。また13年前から借りて3年前に完済など。(1996年~2001年、2003年~2013年)
要は、完済が何回かある場合です。
この場合に前半を一つ目の取引、後半を2つ目の取引と位置付けるのが分断というものです。
分断になると、過払い金は半分以下になる場合もあります。
基本的な契約が一つである限り基本的には分断にはならないという理論なのですが、裁判でも1年以上期間が空いているだけで危ないケース(裁判官が分断というケース)もあります。
端数を含めて完済したというのは、取引を終了させる意思があったなどを重視される場合もあります。
ここ1、2年は信販系の会社も分断を主張するようになってきました。
この前は3年半空きの分断でゴリゴリの合戦をしていましたが、無事勝ちました✌
②期限の利益喪失
いわゆる返済中に遅延(支払いが遅れていた)があった場合です。
「高利で支払うのが大変だったから遅れたのに…」
と依頼者さんはみな言います。
その通りなのですが、争点になっているのです。
この場合には、支払いに遅れがあった段階で期限の利益(約束通りの分割払い)を喪失し、以後遅延損害金の利率で請求ができるというものです。
遅延損害金は20数パーセントといった利率で認められているので、要はこれが認められると違法金利と変わらない金利が正当化されるわけです。
消費者金融さんが「遅れがありますから!」と自信をもって主張してくるケースもありますが、個人的にはそんな気にしてません。
多少の遅れがあるのはほぼすべての依頼者には見えますから。
過払い金が発生した段階から遅れても何の影響もないですしね。
③貸付停止措置
ここは素人の方にはわかりづらいかもしれませんが、過払い金充当合意というものが貸付停止措置(キャッシングをできないようにした)以降は成立しないというものです。
カード会社が行った貸付停止措置は全く意に介しませんが(カード会社は儲かりそうであればまた貸すであろうから)、キャッシング利用者(お客さん)から行った貸付停止希望に基づく貸付停止措置はちと厳しいですかね。。
④私的和解
カード会社から「もう支払いしなくていいからこれにサインしてください」と言われた場合です。
この場合は、支払いが0になってもなお多くの過払い金が発生しているのに、「支払いをしなくてもよい」と騙し、過払い金を消滅させてしまうのです。
たいがい「債権債務なし」と書かれていますが、これは「借金はなし。でも過払い金も0だからね。」という意味合いです。
これも、契約形態で行っているときつめですが、通知なら問題なしです。
通知は相手の意思を確認することのない一方的行為です。
契約形態は錯誤無効(過払い金が出ていると知らなかった)で進めることは可能ですが、カード会社側が控訴(次の審級の裁判)までしてくるのを想定するとある程度の金額が発生していないと厳しいな…というのが正直なところです。
まだまだありますが、大体こんなところです。
今の過払い金請求の裁判は昔よりはかなりハードル上がってしまいましたね。。
ではみなさんまた!