コトバットのアジトにつくとエリアが主の部屋に案内する
「主に会う覚悟はできてるのか?」
エリアは横目で優をみた
優はコクリとうなづく
薄暗い廊下を歩いていくと、エリアが突き当りにあったドアを開ける
(うわあなんか気持ち悪い、クモの巣天井にはってるしなんだか気味が悪い)
優はガクガク震えていた
1人用のソファーに座っていたのは、短髪の優しそうな男性だ
(わーすごくニコニコしてるし、とても優しそうな方だな)
優はお辞儀をした
「あれ?お前優だよな?」
男性は優に駆け寄る
優はちょっぴり恥ずかしそうだ
「会いたかったよ、ずいぶん大きくなったんだな」
男性は優を抱きしめた
エリアは2人をにらんだ
(主様私のことは抱きしめてくれたことなんかないくせに。
コトバットの人間は負のエネルギーが体内に流れてるから、触れても平気なハズなのに、、)
「私は優柔不断で、断れずにズルズル友人の要求を聞くうちにこんな事になってしまってね」
男性は切なそうに眉を吊り下げた
「本当はこんな事私も望んでなかったんだ。
友人には内緒にしておくから、ワードエンジェルを助けるのを手伝ってくれないか?」
男性は2人を見る
(なんで、なんで私には言ってくれなかったの?せっかく私は主様に認めてもらうためにワードエンジェルを捕まえてきたのに)
エリアは歯を食いしばった
優はコクリとうなづく
(良かった、陽菜と敵対せずにすむんだ)
優はクシャッと笑う
「エリア黙っててすまなかった。これが私の本音なんだ。エリアが僕のためにやってくれているとわかっていたからこそいいにくかったんだ」
男の人は目をそらす
「エリアはなんでこんなに僕に執着するんだ?
僕は優は作ったけど君の制作には携わっていないのに。」
男の人はエリアをみた
「何言ってるの?私は主様が作ったって小さい頃からずっと周りの人から何度も聞いていたのよ?」
エリアはすがるように、男の人の腕を掴んだ
「それはエリアが完成度が高すぎて、制作陣が怖くなってしまったんだ、だから何かあった時に裁かれないために私に罪をなすりつけようとしたんだ」
男の人は引き出しから書類を持ってきた
「ほらここに、私の名前はないだろ?」
エリアは書類を奪うと、目に涙を浮かべる
「こんなのうそよ。私は信じない。じゃあ私が今までやってきた事は何だったのよ!!」
エリアの体内に負のエネルギーが蓄積されていく
(そうか、そうだったんだ。主様は私を作ってなかった。
私は主様の子じゃなかったんだ。主様を愛していたのは私だけだったんだ)
エリアは涙を流す
「そうかエリアは私がエリアを作ったと思っていたのか、だからあんなにも私のことを。
この勘違いに早く気がついていればエリアをこんなに傷つけることはなかったのに」
男性は拳をドアに叩きつける
エリアは負のエネルギーがたまり巨大化してしまう